標準化関係の調査研究
日本規格協会では、政策・産業・社会情勢など幅広い観点から、標準化のあり方や、将来の標準化の方向性などについて、調査・研究を行っております。
(1)『認知症に関する企業等の宣言制度の普及・啓発及び認証制度のあり方に関する調査研究事業』調査報告について
厚生労働省 令和4年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、下記事業を実施しました。
【事業名】
『認知症に関する企業等の宣言制度の普及・啓発及び認証制度のあり方に関する調査研究事業』
【事業の概要】
本事業では、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくために、移動、消費、金融手続き、公共施設など、生活のあらゆる場面で障壁を減らしていく「地域共生社会」を実現するための取り組みとして実施している「認知症バリアフリー宣言」の普及・啓発や、「認知症バリアフリー認証」及び「認知症バリアフリー表彰」の検討を通じて「認知症バリアフリー」の更なる推進を目指し、以下を実施した。
1.より多くの企業・団体等が宣言に取り組むことに向けての有効な施策の検討・実施
①各種利害関係者に対する実態調査
宣言実施企業にヒアリングを行い、宣言制度の利用実態や課題・要望等の把握を行い、「認知症バリアフリー宣言制度の」継続的な普及・拡大に向けた検討材料とした。
②宣言制度の一般認知度調査
新たな制度の普及・定着には、社会一般に広く認知・需要されること(世論醸成)が必要であり、これまでの調査でも、宣言制度が社会に浸透することが企業・団体にとって宣言に取り組むうえでの大きなメリットであるという意見が多く上がっていたことから、宣言制度の一般認知・受容・期待事項について調査を実施した。
③宣言制度改善・普及施策提案
①及び②の調査によって得られた内容を分析し、認知症バリアフリー宣言の普及促進・改善に必要な施策を検討し広報ツールの作成と施策提案を行った。
2.認証の導入を想定した際の懸念事項等への対応
①‐1 認証企業等の質担保に向けた検討
令和3年度に自治体を対象に実施した調査で抽出した、地域の既存制度(認知症にやさしいお店等)や、一定数普及している類似制度等を考察し、認証スキームに盛り込むべき、質確保の方策を検討した。
①‐2 運用コストの検討・検証
①-1の結果を踏まえ、令和3年度事業でも適用可能性が示唆された書類審査を念頭に、宣言の申請受付を流用した仕組み(宣言のWebサイトの活用)で、認証の運用可能性を検討するとともに、この場合の運用コストについて検証した。
②自治体等で実施の既存制度の実態把握及び整合性検討
令和3年度に実施した自治体等における認知症バリアフリー関連制度の調査結果について更に深堀を行い、認知症バリアフリー認証を立ち上げた場合の両者の接続・連携可能性や、認証制度検討の際のインプット事項について調査を行った。
3.表彰制度のあり方検討
認知症バリアフリー表彰制度についてのあり方の検討を行うために、既存の表彰制度の事例を収集、分析し、類型を抽出した。
認知症バリアフリー宣言 チラシ
認知症バリアフリー宣言制度チラシ
報告書
令和4年度老健事業_認知症に関する企業等の宣言制度の普及・啓発及び認証制度のあり方に関する調査研究事業報告書
(2)厚生労働省 令和3年度老人保健健康増進等事業『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の実施及び普及に向けたあり方に関する調査研究事業』について
厚生労働省 令和3年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、当会応募の下記事業が採択されました。
【事業名】
『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の実施及び普及に向けたあり方に関する調査研究事業』
【事業の概要】
本事業では、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくために、移動、消費、金融手続き、公共施設など、生活のあらゆる場面で障壁を減らしていく「地域共生社会」を実現するための「認知症バリアフリー」の取り組みを、認知症バリアフリー宣言、認証を通じて推進することを目指し、以下を実施した。
1. 認知症バリアフリー宣言制度の試行事業にあたって必要な事項の検討
認知症バリアフリー宣言制度は、企業・団体等に認知症バリアフリー推進に向けての方針や方向性を示していただき、それを「見える化」することによって、認知症の人やその家族の方々にとって安心して店舗やサービス・商品を利用できるなどの環境を提供するとともに、企業・団体の取組を推進することにより、認知症バリアフリー社会の機運を醸成することを目的とするものである。
認知症バリアフリー宣言制度の本格実施に向け、厚生労働省令和3年度委託事業「認知症分野における官民連携・取組活性化事業一式」にて「認知症バリアフリー宣言試行事業」が実施された。この試行事業に向けたスキームと宣言に係る書類様式を検討、作成し「認知症バリアフリー宣言試行事業」の事務局へ提案を行った。
2. 認知症バリアフリー宣言制度 本稼働版スキームの検討、提案
「認知症バリアフリー宣言制度試行事業」から得られた知見を反映しながら、認知症バリアフリー宣言制度を本格実施するために必要な運営体制及びその運営体制下で果たさなければならない機能・責任について検討を行い、本格実施版スキームの設定と、制度運営・制度の信頼性確保のために必要な規程類の制定、提案を行った。
3. より多くの企業・団体による宣言に向けた阻害要因への対応
- 普及・啓発ツールの作成
企業・団体等が認知症バリアフリー宣言に取り組むためには、認知症バリアフリー宣言の基準を理解し、認知症バリアフリーの推進に必要な4項目についてどのような取り組みを行うかを定める必要がある。そこで、「認知症バリアフリー」の考え方や宣言基準の解説、実際に認知症バリアフリーの取り組みを行っている企業事例を含んだ認知症バリアフリー宣言啓発ツール(ガイドブック、動画)を作成した。 - 企業・団体が拠点とする自治体や、その企業・団体の所属する業界団体等による認知症バリアフリーの取り組み状況や認知症バリアフリー宣言制度の普及に向けた連携の可能性や検討中の認証制度の導入に向けた調査の実施
- 市区町村における施策の収集と連携意向アンケート調査
- 業界団体等との連携構築に向けたアンケート調査
- 制度普及に向けた連携意向ヒアリング調査
4. 審査員の養成に関する検討
令和2年度に作成された認知症バリアフリー認証基準及び審査フローの仮説を基に、認知症バリアフリー認証審査のための審査要領骨子(案)について、「認知症バリアフリー宣言試行事業」で得られた知見を反映しながら作成を行った。
認知症バリアフリー宣言 ガイドブック
認知症バリアフリー宣言ガイドブック_A3版
報告書
令和3年度老健事業_認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の実施及び普及に向けたあり方に関する調査研究事業報告書
(3)厚生労働省 令和2年度老人保健健康増進等事業『認知症の人の家族が認知症を正しく理解し適切な対応につなげるための取組の普及促進に関する調査研究事業』について
厚生労働省 令和2年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)追加協議において、当会応募の下記事業が採択されました。
事業名
『認知症の人の家族が認知症を正しく理解し適切な対応につなげるための取組の普及促進に関する調査研究事業』
事業の概要
認知症は本人だけなく、家族や介護者の負担も大きく、長引く介護によってお互いに疲弊している事例も少なくない。主にBPSDと呼ばれる「行動・心理症状」が介護を難しくしていると言われているが、BPSDは家族や介護者が適切な対応(ケア)をすることで症状を軽減できることが分かっている。 しかしながら、認知症ケアに関する重要な学びの場である、地域における認知症家族教室や認知症の方の家族同士のピア活動については、具体的な内容やその効果等については、十分な整理・分析がされていない。
そこで、本事業では、認知症家族教室や認知症の方の家族同士のピア活動の事例を収集するとともに、その効果や運営方法等を分析し、認知症ケアや介護者の負担軽減に資する好事例をまとめた運営の手引きを作成した。
事業概要図
認知症家族教室、認知症家族ピアサポート運営の手引き
A3版:認知症家族教室、認知症家族ピアサポート運営の手引き
A4版:認知症家族教室、認知症家族ピアサポート運営の手引き
報告書
認知症の人の家族が認知症を正しく理解し適切な対応につなげるための取組の普及促進に関する調査研究事業報告書
(4)厚生労働省 令和2年度老人保健健康増進等事業『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業』について
厚生労働省 令和2年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、当会応募の下記事業が採択されました。
事業名
『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業』
事業の概要
本事業は、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくために、移動、消費、金融手続き、公共施設など、生活のあらゆる場面で障壁を減らしていく「認知症バリアフリー」の取り組みを推進するために、「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度において企業等が取り組むべき事項を審査基準として明確にすると共に、その審査基準に則った企業等の取り組みを推進させるための普及啓発活動を行い、「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度を「地域共生社会」を実現するための社会基盤として根付かせることを目的とするものである。
本事業では、認証基準、認証スキームづくりのための調査を実施し「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の基準を策定し制度スキームを構築するとともに、策定した認証基準への実施状況調査及び普及啓発の視点から自治体における認知症関連施策の現状調査を行い、次年度以降の制度実施に向けて検討、実施が必要な事項についてまとめた。
事業概要図
報告書
認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業報告書
(5)認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究について
厚生労働省 令和元年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金) 追加募集において、当会応募の下記事業(『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業』)が採択されました。
事業名
『認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業』
事業の概要
本事業は、①基礎調査をもとに、②「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方調査を実施するとともに、4つの視点(価値実現、評価視点、認知度向上、健全性確保)から「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方を示し、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくために、移動・消費・金融手続き・公共施設など、生活のあらゆる場面で障壁を減らしていく「認知症バリアフリー」の取組を推進し、「地域共生社会」の実現を目指すものである。
「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度では、すべての企業等を対象とするが、とりわけ地域での生活に関わりが強く、日常生活に必要な「小売業・金融機関・公共交通機関」分野の企業等がすすんで取り組める宣言及び認証制度とすることを念頭に、調査を行った。
報告書
認知症に関する企業等の「認知症バリアフリー宣言(仮称)」及び認証制度の在り方等に関する調査研究事業報告書
事業概要図
(6)認知症の人に資する商品、サービスの認証制度に関する調査研究について
厚生労働省 令和元年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、当会応募の下記事業(「認知症の人に資する商品、サービスの認証制度に関する調査研究事業」)が採択されました。
事業名
「認知症の人に資する商品、サービスの認証制度に関する調査研究事業」
事業の概要
本事業は、①基礎調査をもとに、②認知症の人に資する商品、サービスの認証制度のあり方調査を実施するとともに、製品、サービス分野の認証における国際標準であるISO/IEC17065、ISO/IEC TR17028を踏まえた認証制度のあり方の検討を行い、最終的には、5つの視点(適用範囲、価値実現、評価視点、認知度向上、健全性確保)から認知症の人に資する商品、サービスの認証制度のあり方を示すことを目的に実施した。
報告書
認知症の人に資する商品、サービスの認証制度に関する調査研究報告書
事業概要図
(7)介護保険サービスを提供する組織運営形態の実態に関する調査研究について
厚生労働省 平成30年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、当会応募の下記事業(「介護保険サービスを提供する組織運営形態の実態に関する調査研究」)が採択されました。
事業名
「介護保険サービスを提供する組織運営形態の実態に関する調査研究」
事業の概要
本事業は様々な介護保険サービス提供組織の運営形態、提供サービス(居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービスなど)の現状を精査することにより、以下の4つを明らかにし、今後の介護保険サービス事業運営、組織形態の在り方、方向性を探ることを目的に実施するものである。
- 介護保険サービス提供組織の形態別特性
- 提供介護保険サービスの種類別特性
- 介護保険サービスにおける「効率的な事業運営」「生産性の向上」「質の高いサービスの提供」をするために必要となる要素
- 上記3を実現するための組織運営の観点からの問題点と課題
加えて本事業では、介護保険サービス提供事業者を生産性、サービス品質の観点から客観的に評価する手法の検討や、将来的な客観的指標に基づく事業者のデータの公表も見据えて事業を行った。
介護保険サービスを提供する組織運営形態の実態に関する調査報告書(PDF)
事業概要図
(8)SDGsビジネスの可能性とルール形成の調査結果公表について
1.背景・目的
産業構造やビジネスモデルがかつてないスピードで変化することが予想される中、国連では発展途上国のみならず先進国を含めた世界全体が目指すべき目標として2015年に「持続可能な開発目標(以下SDGs)」を採択しました。
これらのSDGs関連の国際市場へアクセスするためには、例えば、ゴールに関連した製品やサービスの品質認証による差別化や、SDGs達成に貢献する経営規範の確立・認証など、国際標準化を活用した手法が重要になることが予想されます。
こうした国際標準を、認証・規制、調達基準等への紐付けと組み合わせることで世界に普及するルール形成戦略は、日本企業がSDGs関連市場でビジネス機会を見いだし、成長しながら、世界の課題解決に貢献することを可能にすると考えられます。
そこで、SDGsに関連するビジネスの市場規模を算出するとともに、いくつかのビジネスについて国際標準化(ルール形成)によるビジネス機会創出の可能性を調査しました。
なお、レポートに記載されている標準化案は調査受託先が提案しているものであり、これに取り組むことが決まっているものではございません
SDGsビジネスの可能性とルール形成に関する調査結果報告書(PDF)
(9)サービス標準化に関するアンケートの調査結果公表について
1.背景・目的
標準化は、社会的課題の解決を促進し、我が国産業の国際競争力を強化していく上で、大きな役割を担っており、また、標準化の対象も「モノ」から「サービス」、そして「社会システム」へと急速に拡大しています。
こうした中、先進国のGDPの70%超を占めるサービス産業の健全な成長を支えるため、ISO(国際標準化機構)においても、「サービス分野の標準化」が優先取組テーマに位置づけられています。
標準化により、サービスの質の高さが可視化されてビジネスの海外展開が進んだり、新産業分野における一定のガイドラインとして適切な市場形成を促すなど、幅広い経済波及効果が期待されており、サービス分野の標準化ニーズへの的確な対応が必要です。
2.サービス標準化に関する消費者アンケート調査
こうした背景を踏まえ、消費者が安心して安全で質の高いサービスを利用できる社会を実現するためには、消費者がサービスを利用・購入する際に、サービスの内容や利用方法等について、十分かつ適切な情報提供が行われることが必要です。
そこで、サービス産業における情報提供の在り方についての検討を深めるため、当協会では、サービスを利用・選択する際にサービス内容が分かりにくいと考えるサービス業種及びその理由を把握するためのアンケート調査を実施いたしましたので、当該調査結果を公表します。
本件に関する問い合せ先
システム系規格開発ユニット サービス系規格チーム
E-mail:ssc@jsa.or.jp
サービス産業の標準化
平成21年度より、社会・産業構造の変化に伴い、今後ますます重要性が高まることが予想されるサービス産業に焦点をあて、諸外国の動向を踏まえながら、今後の標準化の方向性について調査・研究を行っております。サービス産業ならではの特徴を分析した上で、標準化を進めることができる可能性について探っております。
平成22年度は、平成21年に引き続き、文献調査に加え、関係者からのヒアリングや具体的な標準化活動に参加するなど調査の手法を広げ、サービス産業の活性化に向けた標準化のあり方について検討しました。
詳細は、以下の報告書をご覧ください。
サービス産業の標準化 – サービス産業の活性化のための標準化活動と今後の方向性(PDF)