ISO/TC 164とは
自動車や鉄道,航空機,船舶などの輸送機器,ビルやマンション,住宅などの建築物,道路や橋梁などの構造物などさまざまなところに金属材料は使われています。これら金属材料はその材料がもつ強度や物性(例:硬さ等)に応じて,適切な種類の金属材料が設計時に選択され使われています。
ISO/TC 164では,各種金属材料の強度及び物性を測定するための試験方法を国際的に統一し,国際規格として発行する取り組みを続けています。2016年3月現在,Pメンバーが20か国,Oメンバーが31か国加盟し,日本が議長国及び幹事国として活動を推進しています。
表1 ISO/TC 164の概要
TCの名称 | 金属の機械試験(Mechanical testing of metals) |
活動範囲 | 金属材料の特性評価に用いられる試験方法(試験装置の検定及び校正も含む)の標準化 |
設立年 | 1975年 |
規格発行数 | 89規格 |
議長国 | 日本 |
幹事国 | 日本 |
Pメンバー国 | 20か国 |
Oメンバー国 | 31か国 |
リエゾン委員会 | 12のTC(専門委員会) |
リエゾン機関 | 2機関 |
(2016年3月現在)
新着情報
規格開発の体制
ISO/TC 164では,各種の試験方法を次の5つの分野に大別し,それぞれの分野に対応した分科委員会(Sub Committee;SC)を設け,国際規格を開発しています。各試験方法の概要については各SCをクリックしてください。
単軸試験 → SC 1
延性試験 → SC 2
硬さ試験 → SC 3
靱性試験 → SC 4
疲労試験 → SC 5
ISO/TC 164に対する国内体制
本TCの国際規格開発の現場に日本の意見を適切に反映させ,また,新しい試験方法を積極的に国際規格として提案していくため,産業界及び大学・研究機関の専門家らで構成される「ISO/TC 164 対応国内委員会」 を国内に組織し,国際規格原案の投票などに適宜対応できる体制をとっています。
さらに,産業界の団体等で構成される「ISO/TC 164 運営委員会」 を組織し(2016年3月現在の加盟数:計11団体),対応国内委員会の活動支援,国際規格原案に対する加盟団体としての意見提出など,国内の意見を国際規格開発の現場に着実に届ける体制をとっています。
今後もより産業界の実態やニーズに即した国際規格を開発していくため,より多くの団体・企業等に「ISO/TC 164 運営委員会」ただくことを希望しております〔「ISO/TC 164 運営委員会」の活動詳細,加盟等については下記(6)にてお問い合わせください〕。
国際会議での審議状況
本TCでは,年に1回,国際会議を開催し,発行済み規格の見直しや新しい試験方法の国際規格化に取り組んでいます。2015年はイギリスで国際会議が開催され,17か国から約110名のエキスパートが集い,SCごとに活発な議論が行われました。本国際会議で審議された国際規格原案のうち,主なものについては『標準化と品質管理』誌(2016年5月号)(弊会発行)にてその審議状況をお知らせする予定です〔その他詳細については下記(6)にてお問い合わせください〕。
なお,次回国際会議は,2016年10月に日本(東京)で開催予定で,審議状況については『標準化と品質管理』誌や本ウェブサイトにて随時お知らせする予定です。