概要
ISO/TC 20/SC 16は、無人航空機の国際標準化を担当する専門委員会として2014年に設置されました。空撮、インフラの点検、農薬散布など様々なシーンでの利活用が急速に拡大しているドローンの安全な飛行に向けて、機体、手順、運行管理システム等に関する国際規格開発を進めています。
Scope(業務範囲)
無人航空機システム(UAS)の分野における標準化 (次の事項に限定されないが)分類、設計、製造、運用(保守を含む)およびUAS運用の安全管理
組織構成
幹事国:米国
Pメンバー:25ヵ国 Oメンバー:10ヵ国(2021年12月23日時点)
No. | タイトル | コンビナー |
---|---|---|
WG1 | General(一般) | ドイツ |
WG2 | Product manufacturing and maintenance(機体システム) | アメリカ |
WG3 | Operations and procedures(運用手順) | イギリス |
WG4 | UAS Traffic Management(運行管理) | 日本 |
WG5 | Testing and evaluation(検査及び評価) | 中国 |
WG6 | Subsystem(サブシステム) | 中国 |
JWG7 | Noise measurements for UAS(騒音測定) | 中国 |
AG5 | Detect And Avoid(衝突回避技術) | イギリス |
最新状況
第12回総会が2021年11月オンラインで開催され、メンバー各国から計85名の参加者がありました(日本:32名)。
各WGにおける審議中規格の次期ステージへの移行やWGコンビーナ交代、リエゾン担当者が協議・承認されたことに加え、Adhocグループ「Counter UAS」(無人航空機の検知)がWGとなる予定である旨が報告されました。
次回(第13回)総会は2022年6月にトロント(カナダ)で開催予定です。※リモートの可能性もあり
規格開発状況
規格番号 | タイトル |
---|---|
ISO 21384-3:2019 | 無人航空機-第3部:運航手順 |
ISO 21895:2020 | 民間無人航空機システムの分類及びカテゴリ化 |
ISO/TR 23629-1:2020 | UASトラフィック管理(UTM)-第1部:UTMに関する調査結果 |
ISO 21384-4:2020 | 無人航空機システムー第4部:用語 |
ISO 23665:2021 | 無人航空機システム-UAS運用に関与する要員のトレーニング |
ISO 21384-2:2021 | 無人航空機システム-第2部:UASコンポーネント |
ISO 23629-7:2021 | UASトラフィック管理(UTM)-第7部:空間データのデータモデル |
JIS制定状況
規格番号 | タイトル |
---|---|
JIS W 0141:2019 | 無人航空機-用語 |
JIS W 0711:2021 | 無人航空機システム設計管理基準 |
総会開催情報
第8回総会 | 2019年6月23日~28日 | ロンドン | レポート |
第9回総会 | 2019年11月17日~22日 | 南京 | レポート |
第10回総会 | 2020年11月18日、19日 | Zoom会議 | レポート |
第11回総会 | 2021年6月8日、9日 | Zoom会議 | レポート |
第12回総会 | 2021年11月16日、17日 | Zoom会議 | レポート |
日本の対応
(一財)日本規格協会は、用語や運行管理など機体以外に関する標準化に対応する国内審議団体として活動、無人航空機国際標準化委員会を設置して国内意見のとりまとめを行っています。機体に関わる事項の標準化については、一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC)、一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)が国内審議団体を担当して、活動しています。
※主に150kg以上の大型の機体をSJAC、150kg未満の小型の機体をJUAVが担当