NEWS TOPICS

会員向け情報

ISO/TC 308(加工・流通過程の管理)

更新情報

10月8日:規格開発状況及びトピックスを更新

トピックス

ー マスバランスの国際規格原案であるISO/FDIS 13662(Chain of custody — Mass balance — Requirements and guidelines)及びブックアンドクレームの国際規格原案であるISO/FDIS 13659(Chain of custody — Book and claim — Requirements and guidelines)が投票のため、回付されました。
ー ISO 22095は、現在開発中のISO 13662及びISO 13659との整合を確保するための追補作成作業がWG 3で行われています。
ー 9月18日開催のISO/TC 308総会において、ISO 22095の追補・改定の必要性に関する予備検討を開始することとなりました。

【ISO/TC 308設置の経緯】

PC 308設置とISO 22095

ー 2016年にオランダからChain of Custodyの規格(ISO 22095)作成のためのPCの設置提案
ー 2016年に第1回総会開催、以降2020年12月の総会(Web)まで約6回の会議
ー 2020年10月にISO 22095(Chain of custody — General terminology and models)発行

TC 308設置と規格の開発

PCでは通常は1つの規格だけを開発し、ISO発行後には解散となります。TC 308はこの様な背景のもとに、下記の様な議論が行われ、設置されました。
ー 2020年にPC 308に対して新たな規格作成の提案があり、規格作成の提案とともにTC設置提案の検討を開始。
ー 2020年12月の総会でTC移行案の承認と提案された規格に関する作業プログラムを承認。
ー 2021年にISOメンバー機関にTC 308設立の投票が回付(投票期間:2021年2月5日から4月30日)
ー ISOメンバー機関の投票及びISO/TMB投票を経て、ISO/TC 308(Chain of Custody)の設置を正式に承認
ー 2021年12月から2022年3月に2件の新規提案(ISO 13662/13659)の投票が行われ、結果、賛成多数で可決。WG 2でISO 13662/13659の開発を開始。

TCのタイトル

加工・流通過程の品質管理

このTCが取り扱う事項(業務範囲)

指定された特性をもつ製品及びプロセスに対する、並びにそれらの関連する宣言及び信頼性を確実にすることを目的としたchain of custody分野の標準化

議長国

オランダ

幹事国

オランダ

TC308の体制(2025年10月時点)

WG 2: ISO 13662(Chain of custody — Mass balance — Requirements and guidelines)及びISO 13659(Chain of custody — Book and claim — Requirements and guidelines)の開発(幹事国:オランダ)。
WG 3: ISO 22095:2020の追補(幹事国:アメリカ)

規格開発状況(2025年10月8日)

規格番号 タイトル 状況
IS0 22095 :2020 Chain of custody -- General terminology,
concepts, requirements and guidance
追補作業中
ISO 13662 Chain of custody — Mass balance —
Requirements and guidelines
FDIS(最終国際規格原案)
ISO 13659 Chain of custody — Book and claim —
Requirements and guidelines
FDIS最終国際規格原案)

ISO 13662及びISO 13659は2025年末から2026年初頭に発行予定です。

規格の入手方法

ISO/FDIS 13659:2025
 Chain of custody - Book and claim - Requirements and guidelines
加工流通過程の管理-ブックアンドクレーム-要求事項及び手引き

ISO/FDIS 13662:2025
 Chain of custody - Mass balance - Requirements and guidelines
加工流通過程の管理-マスバランス-要求事項及び手引き

ISO 22095:2020
 Chain of custody -- General terminology and models
加工流通過程の管理-一般的な用語とモデル

会議開催状況

日付 主要活動事項
2020年12月7日、8日 第8回ISO/PC 308総会:TC設立を決議
2021年2月から4月 ISOTC308設立提案 ISOメンバーへ回付
2021年10月6日 第1回ISO/TC 308総会、NP提案決議
2021年12月20日から
2022年3月14日
新規提案(マスバランス、ブックアンドクレーム)をTC 308メンバー回付 結果;両規格ともに承認(賛成10、反対1;棄権4)
2022年7月から2023年2月 第1回ISO/TC 308/WG 2会議(オンライン)
2023年2月24日 ISO 13662(MB), ISO13659(BC)ドラフトWD回付
2023年3月14日~16日 第6回ISO/TC 308/WG 2会議(オランダ)
2023年3月16日 第2回ISO/TC 308総会(オランダ)
2023年4月7日 ISO/WD 13362/13659回付(5月14日までコメント)
2023年6月26日~29日 第6回ISO/TC 308/WG 2会議(ドイツ) WDコメント検討
2023年10月16日から19日 第7回ISO/TC 308/WG 2会議(スウェーデン) WDコメント検討
2024年1月23日から26日 第3回ISO/TC 308総会、第8回ISO/TC 308/WG 2会議(アメリカ)CD作成
2024年3月 CD(13662/13659)回付
2024年6月24日から28日 第8回ISO/TC308/WG2会議(オランダ) CDコメント検討
2024年7月から8月 ISO/TC 308/WG 2/TGにおける検討
2024年9月18日から20日 第9回ISO/TC 308/WG 2会議(アメリカ) デルフト会議フォロー。DIS作成
2024年10月1日 第10回ISO/TC 308/WG 2会議  DIS移行を推奨
2024年10月2日 第4回ISO/TC 308総会 (オンライン) DIS化を決議
2025年1月から2025年4月 DIS 13662/13659投票
2025年1月15日 第1回ISO/TC 308/WG 3会議
2025年1月23日 第2回ISO/TC 308/WG 3会議
2025年5月19日から23日 第10回ISO/TC 308/WG 2会議、ISO/TC 308総会(オーストリア) DISコメント検討、FDIS検討
2025年8月19日 第3回ISO/TC 308/WG3会議
2025年9月 ISO/FDIS 13662及びFDIS 13659の回付
2025年9月16日 ISO/TC 308/WG 3会議
2025年9月18日 ISO/TC 308総会(オンライン)

ISO 22095:2022

名称:Chain of custody -- General terminology and models
  加工流通過程の管理-一般的な用語とモデル
概要(スコープ):
この規格では,次の事項を提供することによってChain of Custodyに関する枠組みを定義する。
ー Chain of Custodyの設計,実施及びマネジメントに対する一貫した包括的アプローチ
ー 統一した用語及び定義
ー 各Chain of Custodyモデルに対する一般的な要求事項(5つのモデル*1)及び指針
ー 各Chain of Custodyモデルが適切となり得る状況に関する初期指針をはじめとする,定義されたChain of Custodyモデルの適用に関する一般的な指針
この規格はすべての材料及び製品に適用される。最終アウトプットとしてのサービスには適用されない。
この規格は,サプライチェーン内のいずれかの段階で活動しているいかなる組織,並びに要求事項設定者によって,特定のChain of Custody規格に対する基準として利用されることが可能である。
この規格は,材料又は製品に関する特定特性のクレームの透明性を強化し,それによりそれらのクレームの信頼性を裏付けることが可能である。この規格はそれ自体で,そうしたクレームを行ったり,検証したりするために使用されることを目的とするものではない。
この規格はそれ自体で,組織の材料又は製品に関するクレームの裏付けることは不可能である。
* 1:ISO 22095における5つのChain of Custodyモデルは次の通り。
  i) IPモデル(identity preserved model)
  ii) セグリゲートモデル(segregated model)
  iii) コントロールブレンディングモデル(controlled blending model)
  iv) マスバランスモデル(mass balance model)
  v) ブックアンドクレームモデル(book and claim model)

ISO 22095の追補

ISO 22095:2020は現在開発中のISO 13662(マスバランス)及びISO 13659(ブックアンドクレーム)との整合性をとるための追補作業が行われています。すでに追補原案は承認され、現在最終追補原案の作業が行われています。
主な修正項目は次の通りです:
ー ISO 13662/13659との整合:
ー ISO 22095の表-1(加工流通過程の各モデルの特性概要)の修正。
ー ISO 22095の図1(規定特性の物理的存在に従ってランク付けされたChain of Custodyモデルの図示)の修正及び図の修正に伴い、本文の修正。
ー ISO 22095に規定されているマスバランスのクレジットの失効に関する要求事項(shall)を許可事項(may)に修正。

ISO 22095の追補・改定の予備的検討の開始

9月18日に開催されたISO/TC 308総会において、ISO 22095に関して追補(第2版)を作成するか、又は改定を行うかの言意見交換が行われました。
結果は、ISO 22095の追補又は改定の必要性を検討するタスクグループを設置して修正追加すべき事項の明確化を行うとともに、本年行われるISO 22095の定期見直しの結果をも勘案してISO 22095を追補とするか、改定とするか、若しくは維持(追補も改定も行わない)に関して検討し、ISO/TC 308に報告することとなりました。

ISO/FDIS 13662:Chain of custody — Mass balance — Requirements and guidelines、加工流通過程―マスバランスー要求事項及び手引き)

開発背景:
欧州における欧州ニューグリーンディール及びプラスチック製品いおけるリサイクル含量の向上、エレンマッカーサー白書を背景に、ドイツからプラスチックリサイクルの促進に使用されているマスバランスが、組織、国などによってその方法などが異なるため、標準化が必要との提案。これうけて、当時ISO 22095の作成を担当していたISO/PC 308において国際標準化の妥当性を検討。その結果、ISO/TC 308を設置してISO 13662の開発が開始された。当初はプラスチック分野への適用を主としていたが、開発途中で、マスバランスの適用分野の拡大を視野に、全産業に適用できる規格とした。
適用範囲:
ISO 22095で定義されるマスバランスモデルを、あらゆる原料または製品に適用するための要求事項と手引き提供する。
次の事項に関する要求事項と手引きを提供する:
ー Controlled Blendingモデルおよびブックアンドクレームモデルとの違い;
ー マスバランスモデルに従事する組織に対する一般的な要求事項;
ー 地理的および時間的なシステム境界;
ー 変換係数;
ー ローリングアベレージパーセンテージ法
ー クレジット方式
ー 透明性、コミュニケーション、およびクレーム。

ISO/FDIS 13659:Chain of custody — Book and Claim— Requirements and guidelines、加工流通過程―ブックアンドクレームー要求事項及び手引き)

開発背景:
マスバランスの新規提案と同時期に、スウェーデンから新エネルギー分野においてブックアンドクレーム法が用いられているが、その方法が各国、組織で統一されておらず、その適用や市場に混乱を招いているため、国際標準化が必要と提案。これうけて、当時ISO 22095の作成を担当していたISO/PC 308において国際標準化の妥当性を検討。その結果、ISO/TC 308でブックアンドクレームの開発を行うことを決定。
適用範囲:
ISO 22095で定義されているブックアンドクレームChain of Custodyモデルの適用に関する要求事項および手引きを規定している。 この規格は、システム内のあらゆる原料、製品、またはプロセスの流れに適用できる。
次の事項に関する要求事項および手引きを規定している。
ー ブックアンドクレーム Chain of Custody モデルに関する一般的な要求事項
ー マスバランスとの違い
ー 地理的および時間的なシステムバウンダリー
ー フローインおよびフローアウトにおける原料の流れの帰属
ー 変換係数;
ー 透明性、コミュニケーション、およびクレーム。

ISOで発行されている加工流通過程の管理(Chain of Custody)に関する規格類

技術委員会 規格番号 規格名 状況
ISO/TC34 (食品) /SC18(ココア) ISO 34101-1 Sustainable and traceable cocoa — Part 1: Requirements for cocoa sustainability management systems 発行済(2019年)
ISO 34101-2 Sustainable and traceable cocoa — Part 2: Requirements for performance (related to economic, social and environmental aspects) 発行済(2019年)
ISO 34101-3 Sustainable and traceable cocoa — Part 3: Requirements for traceability 発行済(2019年)
ISO 34101-4 Sustainable and traceable cocoa — Part 4: Requirements for traceability Requirements for certification schemes 発行済(2019年)
ISO/TC 207(環境管理)/SC 5(ライフサイクルアセスメント) ISO/WD 14077 Environmental management — Life cycle assessment — Requirements and guidelines for application of Chain of Custody (CoC) approaches in Life Cycle Assessment (LCA) 作成段階
ISO/TC287 (木材及び木質製品の持続可能なプロセス) ISO 38200 Chain of custody of wood and wood-based products 発行済
ISO/DIS 8347 Measurement procedures associated with the chain of custody in native tropical forest management areas 照会段階
LOADING...