QC検定とは?
品質管理検定(QC検定)は、品質管理に関する知識をどの程度持っているかを全国で筆記試験を行って客観的に評価を行うものです。
第1回試験は2005年に行われ、現在は年2回(9月と3月)の試験が実施されています。学生(高校生等)、社会人など幅広くお申込みいただき、全国で合格者は累計66万名を超えています。
日本のほとんどの企業では、品質管理が実施されています。この品質管理を実施するためには、そこで働く人々の品質管理に関する意識、能力、改善能力が重要です。この品質管理能力、改善能力といった能力を発揮するためには、品質管理の知識だけでなく、個人のリーダーシップ力やモチベーション、それらを引き出す組織体制などといった多くの要素が関係します。しかし、一番の基本となるのは品質管理に関する知識であることは事実です。
また、品質管理の知識といってもどのような問題を解決するのか、によって必要となる知識は異なります。そこで「QC検定」では、企業においてどのような仕事をされているか(これからするか)、その仕事において品質管理、改善を実施するレベルはどれくらいか、そしてその管理・改善をするためにどれくらいの知識が必要であるかにより四つの級を設定しました。
対象となる方々は、主に以下のとおりです。
1級/準1級 | 品質管理部門のスタッフ、技術系部門のスタッフなど企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる方々 |
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2級 | QC七つ道具などを使って品質に関わる問題を解決することを自らできることが求められる方々、小集団活動などでリーダー的な役割を担っており、改善活動をリードしている方々 |
3級 | QC七つ道具などの個別の手法を理解している方々、小集団活動などでメンバーとして活動をしている方々、大学生、高専生、工業高校生など |
4級 | これから企業で働こうとする方々、人材派遣企業などに登録されている派遣社員の方々、大学生、高専生、高校生など |
高校生、専門学校生、大学生、派遣社員の方へ
企業の方へ
学校の先生方へ
高校生、専門学校生、大学生、派遣社員の方へ
皆さんが今後就職をして企業で働くようになると、企業においてはさまざまなルールがあり、それに従って働く必要があります。その中では、良い製品やサービスを生み出すための色々な活動があり、それを総称して「品質管理」もしくは「品質管理活動」と呼んでいます。
多くの企業の場合、品質管理部や品質保証部、品質管理課、品質保証課などといった部署がありますが、これらの部署だけで品質管理を行っているわけではありません。製品を作っていたり、サービスをしたり、製品を運んだり、原材料を購入したりと企業の中のあらゆる部署が協力して行っているものです。現在、品質管理については大学の理工系の授業以外では、工業高校や専門学校でもほとんど教えることはありません。これは、学校での習得内容について専門分野の知識や固有技術を優先し、品質管理は企業が教えるものという暗黙の了解がこれまであったためですが、最近では企業からは学校において品質管理教育を行って欲しいという要望も高まってきています。
しかし、最近は派遣社員やパート、アルバイトなどといった労働形態の多様化に加え、終身雇用の形態が崩れてきたこともあり、従業員全員に品質管理教育を実施する企業が減ってきています。しかし、品質管理に対する要求が変わったわけではありませんから、今後、派遣社員や臨時雇用者の採用といった際に検定取得者が優遇されることになることは間違いありません。
品質管理の基本は決して難しいものではありません。無料でダウンロードができる「4級用テキスト」を使って、あなたも4級からチャレンジしてみませんか。
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企業の方へ
品質管理検定制度は、品質管理の知識レベルを4段階に分け、それぞれに筆記試験を実施して、客観的に評価を行うというものです。知識レベルについては企業の方々のご意見を多く頂き、品質管理に関して「~ができる能力」として4つのレベルに分け、その能力を発揮するためには「これだけの知識が必要」として設定をしています。
生産現場にも多くの短期・臨時社員が配置されることが多くなり、品質管理体制に問題を抱える企業が増えています。従来から品質管理教育に掛かる費用は企業が100%負担してきましたが、ほとんどの企業では派遣社員などの臨時的社員に対しては教育を行っておらず、これが品質問題の原因となっているケースも増えてきています。
これら短期的、臨時的社員の人達に対して、企業は改善活動等を期待してはいないでしょう。しかし少なくとも品質管理の重要性であったり、仕事の進め方、安全、5Sなどといった職場活動の基本について知っている人達であって欲しいとは望んでいます。
品質管理検定4級の対象は主に、工業高校生、高等専門学校生、専門学校生、大学生、人材派遣会社に登録している人達です。その4級の内容は、品質管理の基礎的な用語の意味、重要なことは何か、目的は何かを理解しているかというものです。言い換えると、新入社員が入って簡単な品質管理基礎教育を受けて2~3ヶ月を過ぎた時点で持っている知識レベルです。したがって4級を持っている人は仕事の進め方などの基本的な事項や品質管理の基本を理解しているといえます。
品質管理検定3級、2級は、どちらかというと企業内で働く人々のためのものですが、品質管理の仕事を専門にしている部署の方々というより普通の部署の方々が対象です。QC七つ道具をひとつの軸にすると、3級はQC七つ道具を学んだレベル、2級はQC七つ道具を使いこなして問題を解決していくことができるレベルです。
私達が企業に行ったアンケートでは、製品について企業で発生している問題の80~90%程度は、QC七つ道具レベルの十分な知識があれば十分解決できるという回答がほとんどでした。QC七つ道具は決して難しい手法でなく、学ぶことも困難なことではありません。
この検定制度を活用するメリット
- 企業全体に品質管理に対する意識を高めることができ、製品品質の向上を図ることができる
- 個人個人の品質管理のレベルを把握することができ、教育計画に活用できる
- 各部署ごとに品質管理のレベルを把握でき、人事計画に活用できる
- 社員、派遣社員などの採用にあたり、活用することで品質管理レベル向上を図ることができる
- 社内教育の軽減が図れる
学校の先生方へ
品質管理は就職後に企業で教えるものという暗黙の了解が崩れつつあります。
これまで日本においては、品質管理教育は企業がその費用を100%負担して行ってきました。ご存知のとおり、教育は投資であるわけですが、労働形態の多様化や、年功序列型賃金体系、終身雇用制が崩れつつあることなどから、社員の永年勤続率が下がり、いわゆる投資効率が下がることから、企業が費用を負担して教育を施す対象を選ぶ企業が増えつつあります。
さらに、製品寿命の短期化や生産量の変化などに対応するために臨時雇用社員や派遣社員の活用が広がっています。しかし、企業としては製品やサービスの質を落とすことはできず、品質管理体制に悩みを抱えている企業が増えています。
これは、当会が行いましたアンケートでも、「品質管理についての基礎的な知識は企業で働く前に身につけておいて戴けるとありがたい」という意見をお持ちの企業が多いことからも裏付けられます。
また、賃金体系に能力主義、成果主義といった要素を加える企業も増えてきています。
これらのことから、在学中に品質管理に関しての基本的な知識を身につけて戴き、それを証明する意味で検定の合格証を取得されることは、就職活動においてもプラスの評価を受けることは間違いありません。なお、QC検定の取得を、(公社)全国工業高等学校長協会主催のジュニアマイスター顕彰制度に点数加算して申請することも可能です。
品質管理検定は1級~4級の4段階に分かれておりますが、一番ベースになる4級については、このホームページから無料でダウンロードしていただける「4級用テキスト」を用意しております。4級の試験はこのテキストから出題されます。このテキストを学生の皆様の学習にご活用戴ければ幸いです。