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EU AI 法と IEC及び ISOの標準化

2023/12/28

欧州委員会のタチアナ・エヴァス博士は、EUの人工知能(AI)法の要求事項を満たすためには標準化が重要であり、ISOとIECの合同AI委員会であるISO/IEC/JTC1/SC42の活動は高く評価されていると述べた。
エヴァス博士は、2023年12月に開催された第4回 ISO/IEC AIワークショップで講演。

「我々はSC 42の標準化活動を非常に重視している。AI技術はグローバルなものであり、国際標準はグローバルな相互運用性を可能にし、企業のコスト削減に役立つ」

彼女のコメントは、EU AI法として知られるAIに関する調和規則の提案について、欧州理事会と欧州議会が暫定合意に達した前夜に発表された。これは、世界初の水平的かつ法的拘束力のあるAI法であり、EU市場におけるAIシステムの安全性を確保し、基本的権利と価値を尊重することを目的としている。
同法はまた、EUに信頼できるAIの単一市場を創設することも目指している。この法律は、リスクベースのアプローチに従っており、リスクが高ければ高いほど、規則も厳しくなる。

エヴァス博士は、この法律をめぐる議論と交渉に関与しており、AI基準や適合性評価、市場サーベイランス、サイバーセキュリティ、法的責任、さらにAI法提案と分野別法制との関係についての現在進行中の作業すべてに責任を負っている。
同法には、リスク管理システム、データセットのガバナンスと品質、AIユーザーへの透明性と情報提供、AIシステムの人的監視とサイバーセキュリティ、適合性評価など、AIシステムがEU市場で使用されるために満たす必要のある多くの要件が詳述されている。

欧州委員会は、欧州標準化委員会(CEN/CENELAC)に要求事項をサポートする規格の策定を委託しているが、欧州市場で事業を展開する国際企業はこれに準拠する必要があるため、国際規格も重要な役割を果たすと彼女は述べた。

SC 42は最近、国際的なマネジメントシステム規格である ISO/IEC 42001を発表した。
この規格は、組織がEUのAI法や、責任ある信頼できるAIに関連する将来の国内法、地域法、国際法を遵守するのに役立つと期待されている。ISO/IEC 42001は、AIマネジメントシステムの確立、実施、維持、継続的改善に関するガイダンスを提供することにより、組織が責任を持ってAIシステムを開発、提供、使用することを支援する。
ISO/IEC 42001はマネジメントシステム規格であるため、認証を受けることができ、政府や利害関係者に要求事項が正しく実施されているという安心感を与える。

年2回開催される第4回ISO/IEC AIワークショップは2023年12月に開催され、AIアプリケーション、有益なAI、新しいAI標準化アプローチ、新たなAI技術動向と要件の分野の専門家が参加した。




[ジュネーブ事務所]

https://www.iec.ch/blog/standardization-work-joint-iec-and-iso-committee-highly-relevant-eu-ai-act

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