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【注目JIS】人工知能(AI)マネジメントシステムについてのJISを発行しました(JIS Q 42001)

【注目JIS】人工知能(AI)マネジメントシステムについてのJISを発行しました(JIS Q 42001)

2025/08/27

 一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年8月20日にJIS Q 42001(情報技術-人工知能-マネジメントシステム)を発行いたしました。制定の趣旨や、制定に伴い期待されることをご紹介します。

JIS Q 42001:2025

情報技術-人工知能-マネジメントシステム
Information technology-Artificial intelligence-Management system

■JIS Q 42001の制定の趣旨

 この規格は、分野横断的な技術の一つである、人工知能(AI)に関するマネジメントシステムの構築について規定したものです。AI技術は、深層学習のブレイクスルーによって急激に開発が進められ第3次AIブームを引き起こし、最近では生成系AIの社会への浸透によって用途が拡大しています。各組織のビジネスにおいてAIを利活用することがますます加速することは不可避であり、そのため、AIに関するマネジメントシステムの構築は組織にとって重要です。
 また、AI技術が実現する可能性について、技術だけでなく、各国の制度、政策担当者にも大きな関心をもたれており、人工知能関連のガイドライン及び法令は、EUのレポートによれば600を超えています。その一方で、様々なガイドラインなどが乱立している状況にあり、AI技術に関するマネジメントを実施している組織であることを対外的に表明しても、その内容は組織間で差があり、当該技術に関する標準的な組織の取組を記載した文書の作成・維持及びそれに基づく組織運営が喫緊の課題となっています。
 このような実態を踏まえ、我が国においても国際規格と整合が図られたJISを制定する必要がありました。

■JIS Q 42001の制定で期待されること

 この規格の制定によって、AI技術に関する信頼性の高いマネジメントシステムが構築可能となり、品質の改善、生産性等の向上、及び産業の合理化に寄与することが期待できます。また、この規格を用いることで、国内外とも整合がとれたAIに関するマネジメントシステムが構築可能となり、相互理解の促進、及び互換性の確保に寄与することが期待できます。

主な規定項目は次のとおりです。
1) 適用範囲
2) 引用規格
3) 用語及び定義
4) 組織の状況
5) リーダーシップ
6) 計画策定
7) 支援
8) 運用
9) パフォーマンス評価
10) 改善
11) 附属書A(参考となる管理目的及び管理策)
12) 附属書B(AI管理策実施の手引)

[日本規格協会]