NEWS TOPICS

会員向け情報

SQオンライン

ISO/UNDP 53001(SDGsマネジメントシステム要求事項)が規格開発作業の最終フェーズへ

ISO/UNDP 53001(SDGsマネジメントシステム要求事項)が規格開発作業の最終フェーズへ

2025/08/22

 ISOではプロジェクト委員会であるPC 343(SDGsマネジメントシステム)において、2023年から、ISOとUNDP(国連開発計画)とのWロゴのISO/UNDP 53001(国連SDGsのためのマネジメントシステム-要求事項)の規格原案の開発が行われてきたが、2025年9月2日~11月25日の期間で、ISO全メンバーを対象としたDIS(国際規格案)投票に進むこととなった。

 PC 343では、既にISO/UNDP PAS 53002(国連SDGsへの貢献のための指針)の開発が行われて2024年9月にPAS(公開仕様書)が発行されているが、現在開発中のISO/UNDP 53001は、組織が持続可能な開発とSDGsを実現するためのマネジメントシステムの要求事項を規定しており、有益な影響の最大化と有害な影響の最小化を図ることで、組織のレジリエンスと長期的パフォーマンスの向上を支援する。ISO/UNDP 53001はまた、UNDPが発行した「企業・事業体向け SDG インパクト基準」と整合し、さらにISOのマネジメントシステム規格の共通構造(Harmonized structure)を適用して規格の開発が行われている。

<ISO/UNDP 53001に規定される要求事項の概要>

— 組織のSDG目的と目標を設定し、可能な範囲で関連する国連SDGターゲット及び指標と整合させ、利害関係者に与える悪影響を最小限に抑え、利益を最大化し、国連SDGへの貢献を促進する。

— 組織の状況を分析し、関連する利害関係者と連携して、顕在するインパクト及び潜在的なインパクト(有益又は有害なインパクトの両方を含む)を特定し、評価し、優先順位付けする。

— これらのインパクトに関するデータを収集する。

— イノベーションを支援する選択肢を創出するとともに、それらのオプションの間で情報に基づいた選択を行う。

— 組織の決定や活動のインパクトを受ける者が受け入れ可能なリスクの量と種類を考慮した上で、決定を行う。

— 相互依存関係、相乗効果、トレードオフを理解し管理し、地球規模の必要性に即したペースでポジティブな結果を実現し、意図しない有害なインパクトを回避するとともに、国連SDGs及びインパクトを受ける者のニーズと関連する期待を実現する。

 DIS投票の結果、可決すれば、DISに対して提出されたコメントを審議しドラフトを改訂したうえで、2026年夏頃に国際規格の発行が見込まれている。

[日本規格協会]


 日本規格協会では、日本・世界の標準化最新情報や面白い記事を、メールマガジン World標準ニュース(WSN)として不定期で配信しております。登録は無料となっておりますので、ぜひご登録の上、ご購読ください。ご登録はWorld標準ニュース(WSN)登録ページから!