
【開催レポ】標準化カフェ「バイオテクノロジー ~標準が拓く再生医療分野の産業化~」
2025/08/22
一般財団法人日本規格協会では、新しい標準化の動き、ISO/IECの動向、標準化における課題など、標準化に関わる様々なトピックスを皆様と共有し、自由に議論する場として、標準化カフェを定期的に開催しております。
2025年7月25日に、令和7年度第2回標準化カフェ「バイオテクノロジー〜標準が拓く再生医療分野の産業化〜」を開催しました。講師として再生医療イノベーションフォーラム(富士フイルムホールディングス株式会社)の河内幾生氏にご登壇いただき、経済産業省の西尾氏・石田氏をゲストスピーカーにお迎えしました。
近年、バイオ医薬品や再生医療等製品の承認品目数は増加しており、今後のさらなる市場拡大が期待されています。しかし、再生医療製品は「テーラーメイド」に近い性質を持つため、工業製品のような安定製造が難しく、そのことが産業化の大きな課題となっています。 河内氏は、この課題を解決するために、国際規格(ISO)の活用が重要となり、以下のようなメリットが生まれることを強調されました。
1.ステークホルダー間のコミュニケーション改善
アカデミアから産業界への技術移管、治療製品製造者と周辺産業(試薬、物流など)の取引、そして規制当局への承認申請など、多様な関係者が関わる再生医療分野において、共通の「言語」として規格を用いることで、円滑なコミュニケーションを促進します。
2.承認審査の効率化
従来の個別の対話に代わり、規格に準拠した測定方法や試験デザインを用いることで、規制当局との対話を合理的かつ効率的にし、審査期間の短縮や成功確率の向上に繋がります。米国FDAも、再生医療の承認申請において規格の使用を推奨するガイダンスを発行しています。
また、規格の活用促進策として、再生医療イノベーションフォーラムは、ISO/TC 276(バイオテクノロジー)の国内審議団体として国際規格開発を主導するだけでなく、その普及と定着を図るための「適合性評価」制度を構築しています。河内氏からは、「標準化と適合性評価の活動を通じて、日本の再生医療の産業化をさらに加速させていく」という強いメッセージをいただきました。
詳細は、標準化カフェに関する様々な情報をまとめた、JSA GROUP Webdeskに講演資料を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

令和7年度第2回標準化カフェの様子
左から、石田氏、西尾氏、河内氏
第3回標準化カフェ(2025年10月15日)のテーマは「ブロックチェーン技術」です。一般財団法人 日本情報経済社会推進協会の松下 尚史氏、野町 綺乃氏にご登壇いただきます。上記ホームページにて、詳細を掲載いたしますので、ご参照の上、お申し込みください。
【お問い合わせ】
一般財団法人日本規格協会 システム系・国際規格開発ユニット
〒108-0073 東京都港区三田3丁目11−28 三田 Avanti
E-mail: kokusai@jsa.or.jp
標準化カフェ事務局
[日本規格協会]
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