NEWS TOPICS

会員向け情報

SQオンライン

【開催レポ】標準化カフェ「物流からみる国際標準化競争」

【開催レポ】標準化カフェ「物流からみる国際標準化競争」

2025/06/12

 一般財団法人日本規格協会では、新しい標準化の動き、ISO/IECの動向、標準化における課題など、標準化に関わる様々なトピックスを皆様と共有し、自由に議論する場として、標準化カフェを定期的に開催しております。

 記念すべき令和7年度第1回の標準化カフェは、2025年5月27日(火)に「物流からみる国際標準化競争~Rule TakerからRule Makerへ~」と題して、流通科学大学の森隆行氏に講師としてご登壇いただきました。

 私たちの生活に欠かせない物流は、近年2024年問題が話題となり、注目を集めています。講演では、物流と国際標準化が現代の経済活動においていかに重要であるか、そして物流における国際標準化が進むことのメリットについて、具体的な成功事例を交えながらお話しいただきました。

 国際標準化は、企業のグローバル市場での競争力を高め、業界全体の発展を促す重要な要素です。物流業界における国際標準化は、効率化・迅速化やコスト削減、技術革新の促進、環境負荷の軽減、信頼性・品質の向上など、多くのメリットをもたらします。
 森氏は、市場での競争力を維持し持続的に成長するためには、国際標準に準拠するRule Taker(標準の利用者側)になるだけではなく、国際標準の開発に携わるRule Maker(標準の主導者側)に転換する必要があることを強調されました。
 具体的には、フランス主導で、物流で取り扱い対象とするワインボトルの形・サイズの規格が開発されたとき、発行直前になって日本酒の一升瓶などが対象外となっていることに気づいたという、Rule Makerにならなかったことで起こったトラブルの事例をご紹介いただきました。この事例から、Rule Makerになることで、市場競争上のルールを自社に有利な形で標準化できると述べられました。
 また、企業における国際標準化戦略の重要性の認識や標準化人材の育成等が、物流業界における国際標準化を促進するカギとなるという重要な示唆をいただきました。
 また、森氏の「国際標準化活動に参画することのメリットに注目することよりも、参画しないと発生するリスクに注目する必要がある」というメッセージはとても印象的でした。

 詳細は、標準化カフェに関する様々な情報をまとめた、JSA GROUP Webdeskに講演資料を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。


(令和7年度第1回標準化カフェの様子)

 第2回標準化カフェ(2025年7月25日)のテーマは、「バイオテクノロジー」です。『バイオテクノロジー〜標準が拓く再生医療分野の産業化〜』と題して、富士フイルムホールディングス株式会社の河内 幾生 氏に講師としてご登壇いただきます。JSA GROUP Webdesk にて、詳細をご参照の上、お申し込みください。

【お問い合わせ】
一般財団法人日本規格協会 システム系・国際規格開発ユニット
〒108-0073 東京都港区三田3丁目11−28 三田 Avanti
E-mail: kokusai@jsa.or.jp
標準化カフェ事務局

[日本規格協会]


 日本規格協会では、日本・世界の標準化最新情報や面白い記事を、メールマガジン World標準ニュース(WSN)として不定期で配信しております。登録は無料となっておりますので、ぜひご登録の上、ご購読ください。ご登録はこちらから!