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CEN/CENELEC の 2023 年度年次報告書が公開、グリーンとデジタルへの取り組みが加速

2024/07/05

欧州標準化委員会(CEN)及び欧州電気標準化委員会(CENELEC)は、2023年度年次報告書を公開した。CEN、CENELECは、2023年、1,453件の文書を発行、28の新たな委員会が設置、123の欧州以外の国がCEN

2023年、CENとCENELECは、欧州産業のグリーン移行をサポートし、新しいクリーンテクノロジーと持続可能なエネルギー源の開発を促進するために、多くの標準化活動を実施した。

・水素
「欧州クリーン水素アライアンスロードマップ」の実施に取り組むため「水素調整グループ」を設置

・エコデザイン
CLC/TC 59X(家庭用および類似の電気機器の性能)は、エコデザインおよびエネルギーラベリング規制をサポートするため、家庭用洗濯機と洗濯乾燥機の新しいエネルギーラベリングとエコデザイン要件を設定した4つの規格を開発。またCEN-CLC/JTC 10(エコデザイン法の対象となる製品の材料効率の側面)は、新しい規格であるprEN 45560「製品の循環設計を達成する方法」に取り組む。

・サーキュラーエコノミー
2023年末、欧州固有の法律及び政策に対応する横断的な標準を開発するという目的でCEN /TC 473(サーキュラーエコノミー)が設立。9月には、標準化要求で求められたDPPの標準を開発する目的でCEN-CLC/JTC 24(デジタル製品パスポート - フレームワークとシステム)が設立。

更にCEN と CENELEC は、「2023 年年次連合作業計画」、「欧州のデジタル10 年の目標」、「ICT 標準化の展開計画」など、様々なEU 立法行為をサポートする標準化成果物を開発。JTC 13では、無線機器指令のサイバーセキュリティ要求事項をサポートするため、規格開発を進めたほか、並行して、「サイバーセキュリティレジリエンス法」を支援することを目的とした規格開発の準備においても重要な役割を果たした。

量子技術に関しては、2022年に設立したCEN/CLC/JTC 22(量子技術)が活動を開始した。前身であるCEN and CENELECフォーカスグループ(Quantum Techno Focus Group on Quantum Technologies(2020年から2023年まで活動)の2つの成果物(量子技術に関する標準化ロードマップ、量子技術ユースケース)を基に、8つの新規プロジェクトを立ち上げた。JTC22は、同テーマで新たに設立されたIEC/ISO JTC 3とも緊密に連携を図っている。

2023年1月には、標準化に関するハイレベルフォーラムの初会合が開催。ハイレベルフォーラム(HLF)は、欧州標準化戦略によって設立された活動であり、その発足は戦略の実施における重要な機会と位置付けられている。初会合は、業界、政策、市民社会、標準化の分野から50名のハイレベルの代表者が集まった。

CENと CENELECが策定した「2030 年戦略」は、デジタルとグリーンの 2 つの移行の文脈の中でCEN CENELECのアジェンダを定め、標準化システムとサービスが持続可能で世界的に競争力のある欧州経済のために機能することを保証したものである。この戦略に基づき、2021年から実装計画が実施されており、2023年には以下のプロジェクトを実施した。

・ユーザーニーズ評価
ユーザーニーズを特定するためにメンバーが現在使用している既存のプラクティスとシステムのマッピング (完了)

・戦略的国際監視メカニズム
国際標準化に対するより戦略的なアプローチを促進し、欧州にとって戦略的に重要な問題が協調的に扱われるようにすることを目的(完了)

・包括性と多様性の代表性ダッシュボード
このプロジェクトでは、性別、年齢、人種/民族、アクセシビリティの観点から、CEN および CENELEC 技術機関の多様な構成と標準草案作成環境の包括性を分析。最終報告書ではギャップを特定し、標準化活動の包括性と多様性をさらに強化するための推奨事項を示す (完了)

・整合規格のタイムリーな引用
規格開発の初期段階に注力し、CCMC 品質チェック (継続中)を導入することで、整合規格 (hEN) のタイムリーな提供を目指す(進行中)

・SMART 標準
テキストで記述された標準から、機械可読コンテンツを備えたデジタル標準に移行することを目指す。これにより、標準の使用が容易になり、中小企業にとっての障壁が低くなる。2023 年には、パイロットが実行された (進行中)

・オンライン標準開発 (OSD)
OSDは、ISO および IEC と共同で、CEN および CENELEC 標準開発プロセス向けに最適化された、Word のような共同オンライン編集ツールを提供することを目指す。このツールは、専門家が標準の草案を作成するために使用。これにより、コラボレーション、包括性、効率性が向上し、結果として標準の品質が向上する。2023 年には、ユーザーによる採用を増やすためにパイロットが再開され、CEN OSD 統合と将来の CENELEC OSD 環境を準備するための広範なプロセス設計作業が実行された (進行中)

[ジュネーブ事務所]

https://www.cencenelec.eu/news-and-events/news/2024/publications/2024-06-26-annual-report-2023/