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ISO 45003の開発の背景と経緯

ISO 45003の開発の背景と経緯

働く人の身体的な安全を重視する傾向から、近年、精神的な健康も含めた心身の健康の労働生産性への影響及びコストの認識が高まっています。 多くの企業で、生産性を維持・向上し、離職率の低減を図り、企業価値を高めるために、働く人のメンタルヘルスを維持し、改善することが重要な経営課題として認識されています。

このような背景下、職場における労働安全衛生の効果的な管理を推進するため、2018年に発行されたISO 45001に基づく労働安全衛生マネジメントシステムの中で、心理社会的リスクを管理するための指針として、ISO 45003が2021年6月に発行されました。

コロナ禍の影響で、多くの企業で在宅勤務が推奨されていますが、対面とは異なる環境のためにコミュニケーションが取りづらいといった問題が生じています。また、COVID-19感染者が回復後、職場復帰する際に、対人関係にストレスを感じたり、仕事量減によって収入が減ったりする等、コロナ禍は働く人のメンタルヘルスに様々な影響を及ぼしています。

しかし、パンデミックのない平時であっても、どのような職場でも、仕事関連のストレスはあります。
ISO 45003は、組織が仕事関連のストレスや働く人のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性のある、職場の様々な心理社会的危険源を特定し、それに伴うリスクを評価し、適切な管理をすることによって、働く人のメンタルヘルスやウェルビーイングを促進するためのガイダンスを提供することを意図して、ISO/TC 283(労働安全衛生マネジメント)において開発されました。

ニューノーマル時代に、組織が、働く人の協力も得ながら、職場の心理社会的リスクの低減を図り、職場の人間関係を改善し、多様な働く人にとって働きやすい職場環境をつくることで、職場でのウェルビーイングを促進することを、ISO 45001及びISO 45003は支援します。