
持続可能なモビリティ国際標準が動く! ISO/TC 268/SC 2サステイナブルモビリティ第8回会議レポート(ロンドン開催)
2025/06/13
ISO/TC 268(持続可能な都市とコミュニティ)の配下にあり,我が国の提案により2021年に発足したSC 2(持続可能なモビリティ及び輸送)は,都市のグランドデザインやモビリティサービスに関する国際標準化を推進しています 。2025年5月19日から20日にかけて,英国ロンドンのBSI(英国規格協会)において,このSC 2及びSC傘下の3つのワーキンググループ(WG)の会議が開催されました 。
5月20日に開催されたSC 2総会には,日本,韓国,中国,インド,フランス,ブラジルなど8カ国から53名が参加 。日本からは,今回よりSC 2議長を務める中村文彦氏(東京大学 特任教授)をはじめとする,計7名の専門家が総会に参加しました 。
会議では,WG 1(デジタルガバナンス),WG 2(サービス及びプラットフォーム),WG 3(スマートな運用及び保守)における詳細な審議の結果,ISO/DIS 16481(デジタルガバナンス — 持続可能性に関するISO 37101の目的における戦略的要件)やISO/DIS 16499-1(物理的・デジタルインフラを活用した自動化モビリティ — 第1部:サービス役割アーキテクチャ)など2件の規格が発行段階に進むなど,具体的な進捗が多数確認されました。
5月23日には,ISO/TC 268総会が開催され,Bernard Gindroz議長から,新体制であるISO/IEC/JTC 4へ向けた情報提供などがありました。
次回会議は,2025年10月に浜松で開催することが決定しています。
[日本規格協会 システム系・国際規格開発ユニット]
ISO/TC 268/SC 2ロンドン会議に出席して
今回、はじめて、SCの議長という立場で参加させていただきました。それぞれのプロジェクトの提案者の積極的な姿勢および、会議参加者のISOの基本理念に則った会議参加への態度、そして、事務局の周到な事前準備と調整のおかげで、きわめてスムーズに、かつ必要な場面ではきわめて有意義に議論することができました。新体制の移行に伴って不確定なこともいくつかあるかもしれませんが、持続可能なモビリティの実現の意義を共有しながら、今後も素晴らしい提案を数多く世の中に送り出していけるよう頑張りたいと思います。
[中村文彦(東京大学特任教授),ISO/TC 268/SC 2議長]

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