
JIS A 5308:2024 レディーミクストコンクリート
2024/05/09
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2024年3月21日にJIS A 5308:2024(レディーミクストコンクリ―ト)を発行いたしました。 今回の改正により、カーボンニュートラルや環境負荷低減等の社会問題への対応に寄与するとともに、品質の向上、生産・使用の合理化、取引の円滑化、単純公正化に貢献することが期待されます。
JIS A 5308:2024
レディーミクストコンクリート
Ready-mixed concrete
発行時期 :2024年3月21日
原案作成団体:全国生コンクリート工業組合連合会

■なぜJIS A 5308は改正されたのか?
この規格は、荷卸し地点まで配達されるレディーミクストコンクリートについて規定しています。
レディーミクストコンクリートは、社会基盤を支える基礎資材として、全国に3,000工場以上が存在しています。
この規格は、製造業者の品質の向上に寄与するだけでなく、各種公共調達、建設・施工業者、設計者、
試験・認証機関等広範な利害関係者が利用し、これらの取引の単純公正化に貢献します。
近年の社会問題となっているカーボンニュートラルや環境負荷低減への対応、
DXの推進への対応を行うとともに、対応国際規格への整合化、
最近の生産・使用実態や合理化への対応を行うために改正が必要でした。
■JIS A 5308に期待されること
この規格の改正により、カーボンニュートラルや環境負荷低減等の社会問題への対応に寄与するとともに、
品質の向上、生産・使用の合理化、取引の円滑化、単純公正化に貢献することが期待されます。
主な規定項目または改正点は次のとおりです。
・対応国際規格と整合化するため、対応国際規格及びその違いの明記等を行う。
・取引の合理化のため、普通コンクリートのスランプ10cmを廃止する
・製造設備、試験・検査等の合理化のため、次の改正等を行う。
a. 舗装コンクリートの強度試験について、購入者と協議の上、
曲げ強度試験に代えて圧縮強度
試験を採用できるようにする。
b. 適切な管理がされている細骨材の場合は、骨材の貯蔵設備の容量を緩和する。
c. ミキサの性能に関し、製造、使用実態を考慮し、JIS A8603-1 及び JISA8603-2 と同等の性能
を持つものを許容。
d. 試料の採取方法に関して、採取前にトラックアジテータのドラムの回転を高速でなくてよい旨と、
採取前に取り除くコンクリートの量を従来よりも減量できる旨を規定する
e. 強度の供試体を荷卸し地点から工場出荷時でもよい旨の緩和をするとともに、
高強度コンクリートの試験の頻度を普通コンクリートと同じ頻度に緩和する
・カーボンニュートラル及び環境負荷低減への対応のため、次の改正等を行う。
a. JIS 化された JIS A5011-5(石炭ガス化スラグ骨材)及び JIS A6209(コンクリート用火山ガ
ラス微粉末)の採用
b. 計量印字記録から自動算出した単位量を納入書に記載する場合にセメントと混和材、種類の異なる混和材、
普通ポルトランドセメントと高炉セメント B 種の累加計量を許容
c. 安定化スラッジ水が適切に管理されている場合、スラッジ固形分率の上限を6%まで許容し、
その扱いや納入書への記載方法等を明記
・DX化推進のため、配合計画書及びその基礎資料、納入書等について、
紙媒体以外を明確に許容するとともに様式を電子化に対応できるようにする
・戻りコンクリートの定義を規定し、積み込みにおいて戻りコンクリートを
使用してはならないことを明確化する
・その他所要の改正を行う
[日本規格協会]