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欧州データ法が発効し、革新的なデータエコノミーのための新しいルールが導入

欧州データ法が発効し、革新的なデータエコノミーのための新しいルールが導入

2024/02/07

2024年1月11日、欧州データ法が発効した。データ法は、2023年9月に施行されたデータガバナンス法を補完するものであり、EU 内で生成されたデータをあらゆる経済セクターにわたってアクセス及び使用する権利を定義することで、データ、特に産業データの共有が容易になる。

ティエリー・ブルトン欧州委員会域内市場担当委員は、「データ法の発効は、デジタル空間の形成に向けた我々の努力における重要なマイルストーンである。この法律は、革新的でオープンなEUデータ経済を促進するものである。欧州市民と企業は、利用可能となる豊富な産業データから恩恵を受け、特に人工知能の分野において、新たなデータ主導型アプリケーションを誘発することになる」と述べる。

近年、欧州市場ではコネクテッド・デバイスが急速に普及している。接続されたモノ(またはモノのインターネット)の使用により、ますます大量のデータが生成され、EUのイノベーションと競争力にとって大きな可能性を意味する。今回発行されたデータ法により、コネクテッド製品のユーザーは、これらの機器によって生成されたデータにアクセスし、そのようなデータを第三者と共有することができるようになる。

例えば、コネクテッドカーの所有者は、これらのコネクテッド製品の使用によって生成された特定のデータを、所有者が選択した修理サービスと共有するようメーカーに要求できるようになる。これにより、消費者やコネクテッド製品の他のユーザーがよりコントロールしやすくなり、アフターマーケット・サービスやイノベーションが促進される。メーカーがデータを生成する製品やサービスに投資するインセンティブは維持され、企業秘密は保護される。

また例えば、公的機関が洪水や山火事などの緊急事態に対応するため、あるいは必要なデータが他の手段では容易に入手できない場合に法的義務を履行するために、民間企業が保有するデータにアクセスし利用することができるようになる。

なお、このデータ法は、EUの標準化戦略に沿って、データ共有とデータ処理サービスの相互運用性標準の開発を促進している。データ法は、発効後20カ月、2025年9月12日に適用される。

[ジュネーブ事務所]

https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/european-data-act-enters-force-putting-place-new-rules-fair-and-innovative-data-economy