ISO/TC 315(コールドチェーン物流)第5回国際会議(シンガポール)レポート
2024/11/22
冷凍・冷蔵の輸送や貯蔵(コールドチェーン物流)に関する国際規格を開発するISOの専門委員会,TC 315の第5回国際会議がシンガポールで2024年10月14日から18日の5日間開催された。SSC(シンガポール)が今回の会議をホストし,対面とオンラインのハイブリッド方式で行われた。会議には幹事国の日本のほか,フランス,インド,インドネシア,ドイツ,マレーシア,韓国,中国,シンガポール,初参加となるウガンダの10ヵ国から70名が参加した。
今回の会議では,日本を含む複数国から新たな提案がなされ,日本提案「Requirements and recommendations regarding refrigerated vehicles and their operation(リーファーボディおよびその運用に関する要求事項及び推奨事項)」及びシンガポール提案「Cold chain implementation framework(コールドチェーン実施フレームワーク)」の二件をPWI(予備業務項目)として登録することに合意,今後,議論が進められることとなった。
シンガポールは今回の会議ホストとして,テクニカルビジットを計画したほか,会議では,「Role of Enterprise Singapore (ESG) in Standardisation Programme」と題したプレゼンテーションを行うなどTC 315への積極的な関与の姿勢を示した。
17日に行われたテクニカルビシットでは,シンガポールのJurong Cold Store社の冷凍倉庫を見学した。
最終日の総会において,次回,第6回国際会議は,2025年にロンドン(英国)で開催することが決議された。また,アジア,欧州の複数国が2026年以降の国際会議のホスト希望を表明した。
TC 315の設立時より,四年にわたって国際議長を務められた根本敏則氏(敬愛大学 特任教授)が2024年12月末で任期を終えられ勇退される。議長としての国際会議は今回が最後となり,18日の会議終了時には,参加者による大きな拍手で感謝の気持ちが伝えられた。
(森 隆行 ISO/TC 315国内委員会委員長)
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ISO/TC 315国内委員会委員長
(学校法人 中内学園 流通科学大学 名誉教授)