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【開催レポ】標準化カフェ「生物多様性の標準化をビジネスにどう活かすか ~グローバルな展開とローカルな実勢を読み解く~」

【開催レポ】標準化カフェ「生物多様性の標準化をビジネスにどう活かすか ~グローバルな展開とローカルな実勢を読み解く~」

2026/06/11

一般財団法人日本規格協会では、新しい標準化の動き、ISO/IECの動向、標準化における課題など、標準化に関わる様々なトピックスを皆様と共有し議論する場として、標準化カフェを定期的に開催しております。

2026年6月1日に、令和8年度第1回標準化カフェ「生物多様性の標準化をビジネスにどう活かすか ~グローバルな展開とローカルな実勢を読み解く~」を開催しました。講師として、東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授 香坂 玲 氏にご登壇いただきました。

講演では、自然や生態系が与えるビジネスへの影響を軸に、様々な取り組み事例のご紹介を通して、生物多様性分野の国際標準化について幅広くお話しいただきました。いくつかのトピックをハイライトしてご紹介いたします。

ネイチャーポジティブ(自然再興)

世界生物多様性枠組2050年ビジョン「自然と共生する世界」

生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるための行動

自然保全のみならず、気候変動・汚染・外来種への対策、持続可能な生産・ゼロカーボンなど、包括的に対応する考え方

自然資本と地域再生の実例

能登半島で森林整備によって取れるようになった林産物を農家民宿で活用:生産資源をグリーンツーリズムなどの観光資源に。

三重県伊賀市で染色に使う紅花の生産の復活:伝統的な知的財産の価値を再発見し現代に復活する。

三重県亀山市の生物多様性共生区域認定制度:自治体が申請を支援し、付与された認定マークを企業が「環境ブランド」として自発的にPRに活用する仕組み。

徳島県のネイチャーポジティブ経済移行:地方銀行が地元企業の自然リスクを可視化し、資金調達やグリーン成長を本業支援するローカルSDGsの取り組み。

ISO/TC 331での規格開発動向

ISO 17298:2025「生物多様性-組織の戦略と運営における生物多様性の考慮-要件とガイドライン」(2025年10月発行済み)

ISO 17620:2025「生物多様性-開発プロジェクトにおける生物多様性ネットゲインの設計と実施のプロセス」(2025年10月発行済み)

ISO 17317「生物多様性-在来種および在来種由来製品の特性評価に関する要件とガイドライン」(2026年6月発行予定)

生物多様性に関する日本の優れた技術や日本特有の自然環境等を発信することで、日本産業の国際競争力強化につなげることを目指している。

自然はビジネスの基盤

全ての企業は自然に依存し、同時に自然へ影響する。

自然損失は経済、金融、サプライチェーンを脅かす。

生物多様性損失はあらゆるビジネス分野に影響し、特に一次産業・食品飲料・建設業などが生態系に大きく依存している。

企業が自然と向き合う基準の整備が進んでいる。

Q&A(抜粋)

Q. 企業が標準化をどのようにビジネスにつなげることができるか。

A. 大手企業がサプライチェーンの選定条件として国際標準への準拠を求め始めており、対応することが市場から排除されないための必須条件(取引のパスポート)になります。また、ルール形成による優位性もあります。先んじて標準に準拠した体制や製品を整えることで、競合に対して市場の主動権(先行者利益)を握ることができることもあります。最後に、グリーンウォッシュの回避としても重要で、独自の基準ではなく、客観的な「国際標準の指標」を使って開示・アピールすることで、批判のリスクを排除し、顧客や投資家からの信頼を最小限のコミュニケーションコストで獲得できる手段になり得ます。

講演後には多数の質問が寄せられ、参加者の皆様からの強い関心が示されるとともに、活発で有意義な意見交換の機会となりました。

詳細は、JSA Group Webdesk(標準化カフェのご案内)に講演資料を掲載しておりますので、標準化カフェに関するご案内や情報と併せてぜひご覧ください。

令和8年度第1回標準化カフェの様子。

出典:Jones, M., Polasky, S., Rueda, X., Brooks, S., Ingram, J. C., von Hase, A., Egoh, B., Kohsaka, R., Kulak, M., Leach, K., Loyola, R., Mandle, L., Rodriguez Osuna, V., Schaafsma, M., & Sonter, L. (2026). IPBES Business and Biodiversity Assessment: Summary for Policymakers. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.19705111
ライセンス:Creative Commons Attribution 4.0 International(CC BY 4.0) DOI: 10.5281/zenodo.19705111

次回、第2回標準化カフェ(2026年9月3日)のテーマは「品質マネジメントシステム」です。東京大学 名誉教授 飯塚氏にご登壇いただきます。JSA Group Webdesk(標準化カフェのご案内)にて詳細を掲載いたしますので、ご参照の上お申し込みください。

【お問い合わせ】
一般財団法人日本規格協会
システム系・国際規格開発ユニット
標準化カフェ事務局
E-mail: kokusai@jsa.or.jp



[一般財団法人日本規格協会]

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