リスクマネジメントに関する国際標準化を行うISO/TC 262(リスクマネジメント)総会が、2025年11月10日(月)から14日(金)の期間、カナダのトロントにあるカナダ規格協会(CSA)グループ本社にて開催されました。
本総会には、対面及びオンラインで約27か国からメンバーが参加し、議論が行われました。日本からは3名のエキスパート及び事務局が対面で出席しました。
総会中は、ISO 31000(リスクマネジメントの指針)の改訂を行うWG 10会議が11月10日(月)~13日(木)の4日間にわたって開催され、作業原案(WD)へのコメントの審議及び委員会原案(CD)の作成作業を行いました。
その結果、2025年12月にCDをTC 262メンバーに回付し、意見照会に付すことが決定されました。
ISO 31000は、主要なISOマネジメントシステム規格をはじめとする多くのISO規格等で参照される重要な規格として、規格開発の動向が注視されています。改訂作業が順調に進めば、2027年半ば~下旬にIS(国際規格)が発行される見込みです。
また、総会最終日の11月14日(金)にはTC 262クロージング総会が開催され、各グループからの報告等が行われたほか、TC262における今後の新規規格開発の提案に関するプレゼンテーションなどが行われました。会議の最後に、以下を含む10つの決議が確認され、5日間にわたる会議は終了しました。
- “Societal risk”に関する規格化の可能性を検討するためのアドホックグループの設置
- ISO 31022(リーガルリスクのマネジメントの指針)の改訂プロジェクトの登録
- IWA 31(マネジメントシステムにおけるISO 31000利用のための指針)の改訂について検討するためPWI(予備作業項目)に登録
- 2025年で退任するISO/TC 262議長への謝辞


