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2025年ISO総会ウィーク出張報告:ビジネスモデル見直しと規格のデジタル化

2025年ISO総会ウィーク出張報告:ビジネスモデル見直しと規格のデジタル化

2025/11/13

 2025年10月6日(月)から9日(木)の期間、ルワンダ共和国の首都キガリにあるKigali Convention Centre(KCC)を会場に、第47回ISO総会、第59回DEVCO総会をはじめとする総会ウィークが開催されました。日本からは、JISC代表代行を務めた当協会理事長 朝日 弘を含む、合計7名(経済産業省の担当者3名、当協会から4名)が参加しました。
 オープニングセレモニーには、ルワンダの首相や大臣、イランの副首相も参加し、会議期間中には、総会、理事会、技術管理評議会(TMB)、発展途上国対策委員会(DEVCO)などの公式会合のほか、AIやビジネスモデル、途上国支援など様々なテーマに関するワークショップも並行して開催されました。

主な事項

 今年度の総会では、標準化を取り巻く環境の変化に対応するためのISOのビジネスモデルの見直しと、規格開発におけるAI(人工知能)の進展を踏まえた対応、そして規格のデジタル化が主要な議題となりました。これらの議題については、参加加盟国からも多数の質問が投げかけられ、活発な議論が展開されました。

 また、加盟国間連携や地域連携の推進、国際標準化を担う若手人材育成、外部機関との連携なども重要なテーマとして取り上げられました。

 会期中には、JISC主催により、インド、オーストラリア、シンガポール、デンマークとの間でバイ会合を実施し、ISOのビジネスモデルや標準化におけるデジタル化の推進などについて意見交換を行いました。

 さらに、今回の総会では、開催地がアフリカということもあり、環境配慮や生物多様性への関心の高さも示されました。関連イベントとして、ISO 17298:2025(生物多様性 要求事項とガイドライン)の発行が発表され、テクニカルビジットでは、かつての工業地帯をエコパークとして再生が進められているエリアを訪れ、環境保全に向けた取り組みを視察しました。

総会のHoD集合写真
総会のHoD集合写真



今後の予定

 ISOは、今回の総会で議論されたAIやデジタル化といった技術的進展を踏まえ、規格開発と普及のあり方を引き続き検討し、国際標準化活動を推進していく見通しです。また、生物多様性やサーキュラーエコノミーをはじめとする社会的な課題への対応も、今後の活動の重要な柱となります。今回の交流で得られた各国標準化機関との関係を継続・拡大し、国際標準化活動を推進してまいります。
 次回のISO総会は、2026年9月28日(月)から10月2日(金)にかけて、フランスのパリにて開催される予定です。



(日本規格協会 システム系・国際規格開発ユニット)

※ 経済産業省の委託事業により、当会は2025年ISO総会ウィークに出張しました。


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