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ISO/TC 283(労働安全衛生マネジメント)総会レポート(2025年10月開催)

ISO/TC 283(労働安全衛生マネジメント)総会レポート(2025年10月開催)

2025/10/22

2025年10月14日に、ISO/TC 283(労働安全衛生マネジメント)総会が開催され、30ヶ国から67名が参加しました。ISO/TC 283は、労働安全衛生マネジメントシステム規格であるISO 45001をはじめとする、働く人の安全と健康に関する国際規格を開発しています。

◆主な審議事項

本総会では、各ワーキンググループ(WG)およびタスクグループ(TG)の規格開発に関する具体的な進捗が報告されました。

1. ISO 45001の改訂

ISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム要求事項)の改訂作業は、現在CD(委員会原案)段階に進んでいます。CD投票が実施され、約850件のコメントが寄せられ、WG6(ISO 45001の改訂)会議においてコメント処理が進められています。2026年3月中旬までに、CDコメントの処理を完了し、次の段階に進む計画です。

2. 新規規格の発行に向けた進捗

WG7(気候変動及びOH&S):気候変動に伴う労働安全衛生のリスクに関するISO/PAS 45007の原案が、DPAS(ドラフト公開仕様書)投票段階にあります。PASは、2025年12月~2026年1月頃に発行される見通しです。

WG 8(リモートワーキング):リモートワークに関するISO 45008は、CD投票および適用範囲の変更承認投票を経て、CDコメント処理が進められています。2025年11月30日を目標にDIS(国際規格案)段階への登録準備が進められています。

WG9(ガバナンス及びリーダーシップ):ガバナンス及びリーダーシップに関するISO 45009は、PWI(予備段階)からAWI(作成段階)へ移行させ、2025年12月までにCDとして委員会にNP提案を提出し、意見照会を行うことを目標に議論が進められています。

WG10(更年期及び月経時の健康):更年期及び月経時の健康に関するISO 45010は、現在DIS投票を実施中です。

TG 7(小規模組織):小規模組織向けの規格開発(ISO/WD 45011)の草案が作成されました。この文書は、資源や労働安全衛生に関する経験が限られている組織を念頭に置いており、10人以下の組織にも適用し得る、労働安全衛生改善のための基本的な対策の手引を含むものとなる予定です。

3. 規格普及・認知向上活動

ISO/TC 283の活動や規格の認知度向上についても議論が行われました。規格のプロモーション活動について、関連情報のウェブサイトやソーシャルメディアへの連携が提案され、積極的に情報共有と認知向上活動を強化していく方針が確認されました。

◆今後の予定

ISO 45001改訂作業が始まり、労働安全衛生マネジメント規格の開発活動は活発化しています。次回の総会は、2026年4月及び10月に開催予定です。

◆関連記事の紹介

ISO/TC 283(労働安全衛生マネジメント)最新情報(2024年10月)

ISO 45006:2023 労働安全衛生マネジメント- 感染症の予防、制御及び管理に関する組織の指針

ISO 45004 労働安全衛生マネジメント-パフォーマンス評価の指針

[日本規格協会]


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