
ISOとGHGプロトコルがGHG排出量基準の統一のための戦略的提携を発表
2025/09/11
国際標準化機構(ISO)と温室効果ガスプロトコル(GHGプロトコル)は9月9日、既存の温室効果ガス(GHG)規格のポートフォリオを調和させ、GHG排出量の算定と報告に関する新たな規格を共同で開発するためのパートナーシップを発表した。なお、GHGプロトコルは、世界資源研究所(WRI)と持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)の共同イニシアチブである。
ISOとGHGプロトコルは、パートナーシップ合意に基づき、主要なGHG規格を統合し、調和のとれた共同ブランドの国際規格を策定する。これには、ISO 1406X規格群に加え、GHGプロトコルの企業算定・報告、スコープ2、スコープ3規格が含まれる。
また、炭素会計活動全般にわたる一貫したアプローチが不可欠であることから、両組織は、脱炭素化の意思決定の指針としてバリューチェーン全体からより詳細なデータへのアクセスを求める企業の増加を受けて、共同で製品カーボンフットプリント規格の策定に取り組むとしている。
ISO規格とGHGプロトコル規格はどちらも、世界中の組織に広く採用されている。ISO 1406X規格ファミリーは、政府の立法及び規制において使用されており、多くの業界における温室効果ガス排出量の報告及び検証の枠組みの基盤となっている。また、GHGプロトコル規格は、主要なサステナビリティ及び情報開示イニシアチブに用いられている。
ISO 1406XシリーズとGHGプロトコル規格群が統合されることで、技術的な厳密さ、政策的妥当性、そして実用性が一つの規格に統合されることになる。これにより、両組織はそれぞれの影響力と信頼性を活用し、世界的な普及を加速させ、実質的な排出削減の推進につなげることを目指している。
本記事は、ISOウェブサイトで公開されている。
[ジュネーブ事務所]
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