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ISO/TC 34/WG 25パリ会議報告:災害食の国際規格原案を検討

ISO/TC 34/WG 25パリ会議報告:災害食の国際規格原案を検討

2025/07/14

1. 開催概要

 2025年7月2日から4日にかけて、ISO/TC 34/WG 25(緊急事態または危機的状況における食料安全保障)会議がフランスのパリとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。今回の会議は、日本が提案し、WGのコンビーナを務めるISO 23638「食料品―災害食の品質要求事項」の規格開発における重要な段階であるCD(委員会原案)へのコメント審議を目的としています。会議には、対面及びWebで日本、フランス、ドイツ、中国、ガーナ、ケニア、WFP(世界食糧計画)などから約20名のエキスパートが参加しました。日本からは、コンビーナ、プロジェクトリーダー、および関連省庁や団体の関係者、事務局の担当者らが、対面またはWebで参加しました。

会議の様子


2. 主な決定事項

ISO 23638は、食品の緊急事態下で消費される、常温保存での適切な保存期間をもつ加工食品の品質および安全の特性に関する要求事項および推奨事項を規定する国際規格として開発されています。今回のパリ会議では、ISO 23638のCDコメントの検討が完了し、今後、WG 25のメンバーに対してDIS(国際規格案)段階へ進めてよいかどうかの照会を行うことに合意しました。CDの検討においては、本国際規格の目的に関して改めて日本からプレゼンテーションが行われたほか、特に、トレーサビリティ、災害食の分類、保存期間、ラベリングといった各国で異なる背景又は意見があった点について、活発な議論が交わされ、各国の状況を踏まえた上で解決策が探られました。

3. 今後の予定

今回の会議でCDへのコメント審議が終了したことから、今後、WG 25でのドラフトの確認を経て、次の規格開発ステージであるDIS(国際規格案)に進められる予定です。DISステージでは、全ISOメンバー国に対して規格原案が回付され、意見照会に付されることとなります。順調に進めば、2026年秋頃に国際規格の発行が見込まれております。

災害国である日本では、既に日本災害食認証制度が運用されており、こうした日本の先行事例をベースとした国際規格が発行されることで、グローバルレベルでの日本の取り組みの普及や、災害食の製造企業にとっての市場拡大につながることが期待されています。

[日本規格協会]


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