
AIシステムの環境持続可能性の側面に関する国際規格の発行
2025/07/09
国際エネルギー機関(IEA)によれば、標準的なAI向けのデータセンターは、10万世帯分の電力を消費する。現在建設中のデータセンターの中には、将来的にその20倍の電力を消費するものもあるという。データセンターは、また、電気部品の製造と冷却に膨大な量の水を使用し、大量の電子機器廃棄物も排出する。
では、地球を破壊することなく、AIの環境的メリットを確実に享受するにはどうすればよいのだろうか?国連環境計画(UNEP)は、AIの環境影響を測定するための標準化された方法の確立や、企業が遵守すべき規制の策定など、数々の提言を行っている。
今月2025年7月にISOとIECから発行されたISO/IEC TR 20226「人工知能-AIシステムの環境持続可能性の側面」は、作業負荷、資源利用、炭素排出量、汚染、廃棄物など、環境に影響を及ぼすAIのあらゆる要素の概要を示し、この課題への対応のひとつとなり得るものである。AIシステムのライフサイクル全体を網羅することで、将来の規格開発を含む、AIシステムの環境持続可能性に関するあらゆるプロジェクトの基礎となることが期待される。
この記事は、IECウェブサイトで公開されている。
[ジュネーブ事務所]
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