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水素・アンモニア

水素・アンモニア

2025/07/07

内閣府知的財産戦略本部により「新たな国際標準戦略」、経済産業省 日本産業標準調査会(JISC)基本政策部会から、「新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル 2025-」が公開され、日本は新たな標準化戦略のステージへと歩みだしました。

重要領域、パイロット分野として今後日本が力を入れていく分野も示されています。

その中から、今回は「水素・アンモニア」についてご紹介いたします。

水素・アンモニア

「日本型標準加速化モデル 2025」において、我が国における戦略的に重要な技術領域の中で、特に不確実性の高い分野を「技術・市場の成熟度」及び「産業横断での連携性」の観点から類型化を行い、その上で各類型に「パイロット分野」として5分野が示されました。

【類型形態】

類型A:実用化段階の技術における市場獲得を目指す分野
類型B:フロンティア領域における先行的ルール形成を狙う分野
類型C:横断的分野における産業基盤整備

このうち、「我が国が技術で優位性を持つ」として類型Bに設定されたものが「水素・アンモニア」です。

水素は、当初水素燃料電池車など、車の分野での利用からISOなどでの標準化がスタートしましたが、昨今の脱炭素社会への移行という世界的潮流を踏まえ、現在では発電、鉄鋼、工業炉、鉄道、航空機、船舶、メタネーションなどユースケースがさらに拡大しており、水素が産業のエネルギーになるに伴い「水素の大規模利用」が一つの焦点となっています。

このような背景を受け、標準化のトレンドも、輸送・貯蔵など水素の大規模利用を意識したものにシフトしています。例えば、水素を輸送する際の配管(パイプ)に関する規格が、ISOや欧州を始め多く整備されてきています。

一方材料面では、水素による金属材料の脆化が一つのトピックとなっており、これに関する試験方法規格や材料の開発が行われています。

また、水素の原産地保証に関する規制や認証も続々と始まっており、「水素のクリーン度」、「水素品質」、「水電解」に関する規格の議論も進展しています。

アンモニアに関しても、海運におけるGreen shipping corridor(ゼロまたはほぼゼロの排出ガス輸送ソリューションを実施する海運業界の脱炭素化の取組み)に代表されるように、脱炭素化への取組みが進展しつつあり、そのソリューションの一つとしてアンモニアが着目され、水素同様に規格の整備も進んでいる状況です。

我が国では、2024年に「「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律」(通称、水素社会推進法)が施行され、水素・アンモニア等の利活用促進が志向されています。また、両分野とも、我が国に技術的優位性が多くあるため、いち早くルール形成を行い、世界をリードすることが肝要です。

日本規格協会では、水素・アンモニアの標準化動向取集・分析・情報展開を行うことで引き続き当該分野の支援をして参ります。

以上、今回は水素・アンモニアの紹介でした!

この記事は新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル 2025-を参考にさせていただきました

参照元:
経済産業省 新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル2025-
内閣官房 知的財産戦略本部ウェブサイト
内閣官房 知的財産戦略本部「新たな国際標準戦略」
内閣官房 知的財産戦略本部「新たな国際標準戦略」の概要
内閣官房 知的財産戦略本部「新たな国際標準戦略」のポイント

[日本規格協会]

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