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国際標準化機構、COP 29で組織のESG遵守を支援するIWA 48を発行

2024/11/15

 国際標準化機構(ISO)は、アゼルバイジャンのバクーで開催されているCOP29において、環境、社会、ガバナンス(ESG)の開示要件を遵守を支援するための国際的な指針、IWA 48(環境、社会、ガバナンス(ESG)原則を実施するための枠組み)を発表した。EUの企業持続可能性報告指令(CSRD)、英国の現代奴隷法、国際会計基準審議会(ISSB)のIFRS S1及びS2の開示要件など、ESGに関する規制は、過去10年間で155%増加したとの報告がある。今回発行されたIWA 48は、ESGの理解を深めることを目的としており、ESGコンサルタント、学術機関、研究機関、NGOなど、あらゆる規模や業種の組織に一貫性のある報告を可能にする。

 今回、英国規格協会(BSI)、カナダ規格審議会(SCC)、ブラジル技術規格協会(ABNT)を含む各国の標準化団体が共同でIWA 48の策定を主導、128カ国にわたる1,900人以上の業界専門家からの意見が盛り込まれている。

IWA 48の概要は以下の通り、

IWA 48とは何か?
組織が環境、社会、ガバナンス (ESG) の実践を組織文化に導入し、組み込むためのガイドとして設計された原則のセットである。この文書は、組織のESG パフォーマンスの管理をサポートし、既存のフレームワークに基づく測定と報告を容易にする。

なぜ重要か?
個々の組織が ESG パフォーマンスを向上させるのに役立つだけでなく、持続可能なビジネス プラクティスの世界的な採用を加速し、世界中でより回復力があり責任あるビジネス エコシステムの構築に貢献する。

IWA 48の利点
・競争上の優位性を獲得:強力なESG慣行を実施することで、組織は社会的意識の高い顧客や投資家を引き付けることができ、新たな市場や資金調達の機会を開拓できる可能性がある。

・評判と信頼の向上:ESGパフォーマンスの向上は透明性とステークホルダーの信頼の向上につながり、市場とコミュニティにおける組織の評判を強化する。

・リスクの軽減: ESGへの包括的なアプローチにより、組織は潜在的な環境、社会、ガバナンスのリスクを特定し、コストのかかる問題になる前に対処することができる。

・地球規模の持続可能性への貢献: 地球規模の持続可能性の目標に沿うことで、組織は気候変動から社会的不平等に至るまで、差し迫った地球規模の課題に取り組む上で有意義な役割を果たすことができる。

 ISO事務総長のセルジオ・ムヒカ氏は、「ISOのESG実施原則は、組織、政府、投資家、消費者にとって真の価値をもたらす持続可能な文化を育むであろう。これらのガイドラインは、多様なコミュニティや環境に利益をもたらす持続可能なビジネス慣行の採用を加速させる」と話す。

 IWA 48は、ISOのウェブサイトから参照することが可能だ。

[日本規格協会]