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日本内燃機関連合会、創立70周年記念行事を開催

2024/08/28

日本内燃機関連合会(以下、JICEF1))は、2024年2月12日に創立70周年を迎え、去る7月2日に日本工業俱楽部会館にて、記念講演会・祝賀会を開催した。当日は、関係団体、個社などから約120名が出席し、盛会のうちに終了した。
記念講演としては、九州大学名誉教授・JICEF参与の高崎講二先生より、将来の舶用燃料の燃焼基礎研究をテーマとして「脱炭素の課題を克服する2050年以降の内燃機関」と題した講演、東京大学名誉教授の渡辺紀徳先生より、「脱炭素社会に向かうガスタービンの展望」と題した講演が行われた。高崎先生の講演は、舶用機関における40年以上前の省エネ回りの研究紹介から、2050年GHG排出ゼロを目指した、水素エンジン、アンモニアエンジンの最新研究にまで及ぶ内容で、脱炭素社会実現における日本の貢献、技術力の高さを感じさせる内容であった。一方、渡辺先生からは、発電用ガスタービンの10余年にわたる研究開発の紹介、また、2050年のゼロ・カーボン目標における、航空用ガスタービンの位置付けと技術予測の紹介があり、いずれも、関連する他の技術(再エネ、カーボンフリー燃料とのハイブリッドなど)との連携・協調、インフラ整備などを含めた、グランドデザインの重要性を改めて認識させられるものであった。

高崎講二先生のご講演 渡辺紀徳先生のご講演

その後、場所を大ホールへ移動して行われた祝賀会では、髙畑会長の挨拶に続き、CIMAC会長のRick Boom氏、ISO/TC70議長のWu Xuling氏、ISO/TC192議長のGeorge Langton氏を含めた、多数の方々からの祝辞が紹介され、さらに、JICEF活動への永年の貢献に対して、23名に功労者表彰が行われた。

髙畑会長のご挨拶 功労者表彰受賞の方々

その後は、過去の日内連創立記念行事のスナップ、CIMAC大会やISO活動の様子を紹介するスライド上映、また、多くの方からJICEFの思い出を語る時間が設けられ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

祝賀会の様子 日内連70年史

JICEFは、CIMAC(国際燃焼機関会議)2)の日本代表機関として組織された団体であり、1954年創立以来、CIMAC活動に貢献している。加えて、1969年にはISO/TC70(往復動内燃機関)の、また、1988年にはISO/TC192(ガスタービン)の国内審議団体としての活動も開始し、ISO規格の審議、更にはそのJIS化も併せて推進しており、標準化を事業の大きな柱としている。
なお、2025年秋には、ISO/TC70本委員会を東京で開催する予定である。

1) 英語名称Japan Internal Combustion Engine Federationより。
2) Conseil International des Machines a Combustion (仏)。1951年(1950年とも言われている)にフランスの提唱で設立された世界的な内燃機関(ピストンエンジン、ガスタービン)の研究・開発・製造・使用者の集まりであり、2024年3月現在15か国の国単位の会員及び14の法人会員(9か国)(2024年7月末現在)で構成されている。本部はフランクフルトに置かれている。

ISO/TC70が扱う内燃機関の規格は往復動内燃機関分野の規格化です。適用範囲は陸用、舶用及び鉄道車両用の機関で、建設機械用、産業トラック用なども含まれますが、道路運送車両、航空機用などの内燃機関は含まれません。身近なところでは,小形の機関が芝刈り機や発電機、空港で使用されている作業車両等に使われています。また,大形の機関は大形コンテナ船の主機関等に使われています。

芝刈り機 発電機 フォークリフト

(写真:日本陸用内燃機関協会資料より)