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ISO/TC 312(サービスエクセレンス)第10回総会及び各WG会合(キプロス開催)レポート

2023/07/25

■開催概要

 サービスエクセレンスの国際規格を開発するISOの専門委員会TC 312(サービスエクセレンス)において、第10回総会及び各WG会合が2023年5月22日~25日にキプロスにて開催されました。

5月22日(月)
10:00~12:00
ISO/TC312総会(開会)
5月22日(月)
13:00~17:30
ISO/TC312/WG 1(原則、モデル及び測定)
5月23日(火)
9:00~13:00
ISO/TC312/WG 2(エクセレントサービスの設計)
5月23日(火)
14:00~15:30
ISO/TC312/WG 4(公共サービス)
5月24日(水)
9:00~12:30
ISO/TC312/WG 4(公共サービス)
5月24日(水)
14:30~15:30
ISO/TC312総会/中国新規提案
5月25日(木)
9:00~11:00
ISO/TC312/TG 1(コミュニケーション)
5月25日(木)
11:30~13:00
ISO/TC312総会(閉会)

※現地時間





■総会の進捗

 今回のTC 312総会には、ドイツ、イギリス、インド、キプロス、スウェーデン、バルバドス、フィンランド、日本、中国、韓国、リエゾン、ISO/IEC JTC 1/SC 40の代表など約30名が参加しました。総会では、中国による、電子商取引プラットフォーム事業者に関するIS(International Standard:国際規格)の新規提案について議論を行いました。本提案は、2023年1月~3月実施のNP投票を行いましたが、否決されました。そのため、今回のTC 312総会で提案内容について改めて説明があり、NP投票を再度実施することが決議されました。なお、参加国からは、関連TCであるTC 321(電子商取引におけるトランザクション保証)をリエゾンに追加すべきという意見が出ました。

■WG 1(ドイツ:原則、モデル及び測定)会合の進捗

 今回のWG 1会合では、成熟度モデルに関する新規提案(ISO/AWI TS 19387, Service excellence-Maturity Model)の、評価の範囲や5段階の成熟度の運用方法に関して、議論を行いました。議論の結果、成熟度モデルの最終版は、ISO 23592の4つの側面・9つの要素を基盤としたモデルを作成しますが、まずは1つの側面・1つの要素に絞って、ドラフトを作成することになりました。5段階の成熟度の運用については、複合的なアプローチを取る方針になりました。

■WG 2(日本:エクセレントサービスの設計)会合の進捗

 WG 2では、組織におけるサービスエクセレンスの実現を支援することを目的に、各国のサービスエクセレンスに関するベストプラクティスを集めたISO/AWI TR 7179(サービスエクセレンス-サービスエクセレンスの実現のためのユースケース)及びサービスエクセレンスの実装に関する新規提案(ISO/AWI TS 19390, Service excellence - Implementation approach for ISO 23592)の開発を日本主導で進めています。
 今回のWG 2会合では、ISO/AWI TS 19390のコンテンツ案について意見交換を行いました。議論の結果、用語の意味や使い分けを明確にさせること、また成熟度モデルに関するドイツ提案との相関を活用させることの重要性が明示されました。

■WG 4(キプロス:公共サービス)会合の進捗

 今回のWG 4会合では、ISO/NP 11367(公共サービス組織のための原則及びモデル)の2024年頭の発行を目標としたスケジュール調整、及びプロジェクト詳細の変更、ドラフト作成に関する各国の役割分担に関する説明が行われました。議論の結果、各担当国は、品質マネジメントシステムに関するガイドライン(ISO 18091:2019, Quality management systems - Guidelines for the application of ISO 9001 in local government)の例に従って該当箇所の修正をすることとなりました。

■TG 1会合の進捗

TG 1では、TC 312マイクロサイトの活用方法及び活動の情報発信方法について、P及びOメンバーの巻き込みについて、議論を進めました。

■今後の予定
  • 中国の新規提案プロジェクトは、再度のNP投票に向けた準備を進める予定です。
  • 次回総会及び各WG会合は、2024年2月下旬に中国にて開催予定です。
■その他
  • ISO/TC 312国内委員会委員長、ISO/TC 312/WG 2(サービスの設計)コンビーナである、水流聡子氏(東京大学 特任教授)の会議レポートはこちらからご参照ください。
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