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生産性を上げる「家事代行」のススメ ハヤカワ五味

2023/08/10

★アンコール掲載(初掲:2020/04/09)★

みなさん、家事代行サービスってご存知でしょうか? 「家事代行」というと、一部の裕福な家庭のみが使える執事とかメイドとかの延長線上にあるもののように聞こえてしまいますが、最近では小さな部屋で一人暮らししている若者であろうと活用できる身近なサービスになりつつあるんです。

この記事の筆者も、家事代行サービスを使い始めてかれこれ3年ほど経ちます。当時はとりあえずお試しだけの気持ちで利用し始めましたが、今となっては生活に欠かせない存在となっています。ある意味で「洗濯物を洗濯板で洗わない」ように「家事は自分でしない」ようであるとも言えます。

そんな私がはじめて家事代行サービスを使ったのは起業して3年目くらいの頃で、私なんかが使うにはまだ早いだろうなあと思いつつ、友人に勧められたので試しに使ってみることにしました。家事代行は定期サービスの場合、作業中の在宅は必須でないことが多いのですが、大抵の場合初回は作業中に同伴している必要があるので必然的に作業の様子を眺めることになります。

作業の様子を眺めていて感じたこと、それは「結局、餅は餅屋」だということです。
家事というと、まあ大抵の人はとりあえずはできてしまうと思うのですが、では、それを仕事のように振り返って改善してというPDCAを回しているかと言われたらそうでない場合が多いのではないかなと思います。少なくとも私は日々の家事をなんとなくやっていました。
ですが、家事代行のスタッフさんたちは“その道のプロ”です。「〇〇という課題がある時にどういう解決方法があるのか?」の引き出しも多いですし、いかに効率よく全体の作業を終わらせるかということを試行錯誤しつつ毎回作業内容がアップデートされていきます。
つまり、家事代行は「1時間を数千円で買っている」のではなく、「アマチュアの自分がやったら3時間とかかかる作業を1時間でやってもらったうえで、その1時間に数千円を払う」ということなのだと私は思っています。

家事代行は、そもそも業者さんも増え、価格も意外とリーズナブル(私は2週に1度、1回2.5時間で月1.5万円程)ですが、とはいえ1時間を数千円で買うというのは抵抗がある人も多いと思います。ただ冷静に考えてほしいのが、今、家事代行の相場感って恐らく中央値で1時間2500円くらいなのですが、それで自分が3時間かかる家事をやってもらえるのであれば実質「3時間を2500円で買う」ことになるのです。つまり、家事代行をお願いしてその時間バイトでもしてた方がお得なんですよね。しかも、家事代行のスタッフさんにギャラを渡せて雇用も生み出し、社会としても良いことしかありません。

ということで、家事代行の効率のよさ、それによって生み出される時間の価値について説明させていただきましたが、とはいえ実際にお願いしたところで何をしてくれるかわからない、希望と違ったらどうしようという方もいると思います。なので、ここからは、私なりの家事代行における活用のコツをお伝えさせてください。

【家事代行利用の極意】

  • されたら嫌なことを事前共有する
  • こだわりのないことも事前共有する
  • 何を期待しているのか、遠慮せず事前に伝える
  • 良かった点をフィードバックする

家事代行で来てくださるのはロボットではなく人です。そのため、お互い気持ちよく働き、良い形のアウトプットにしてもらうためには一定の配慮が必要だと思います。その配慮は、主に会社のマネジメントでも必要であろう先の4項目です。

ここで重要なのが、家事代行はとてもやれることが多いため、自分が何を期待して、家事代行をお願いしているのかをハッキリさせたうえでお伝えすることです。「ここのこだわりはない、ここはこうしてほしい」とハッキリお伝えした方が作業者側もやりやすい部分が多く、もし「ちょっと違うな」となった場合はそれはそれでお伝えすることで次回以降の改善に繋がっていきます。

また、もうひとつ、家事代行サービスを使っていて良かったなと思う点として、主婦として家事に専念されてきたような方がスタッフさんの中には多いのですが、そういった方々にギャラをお支払いできるし感謝を直接お伝えすることができることです。

家事は「当たり前で誰でもできること」、「仕事と比べると楽なこと」というイメージがいまだにあるように思いますが、実際のところはかなり上下左右動き回る重労働ですよね。それでもこれまで、なかなか正当に評価されず、賃金も発生せずひっそりとご家庭内で家事に従事されてきた方はなかなかの数だと思います。それが、家事代行を通して、利用者側は帰宅したらピッカピカの部屋が待っているし自分のやりたい仕事に集中できるしで、スタッフ側は今まで日の目を見なかった家事というものが誰かの役に立ち、感謝され、お賃金をもらえるという立派な仕事に変化したのです。

例えば、普段、パートナーが家事をやってくれているという場合であっても一度家事代行を呼んでみると自分のパートナーが普段どれだけの仕事をしてくれているのかというのも可視化されますし、それによって生まれた時間をもっと別のことに使うなどもできます。ぜひ、この機会に家事代行の身近さを知ってもらえたら嬉しいです。



ハヤカワ五味 

1995年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。在学中よりシンデレラバスト向けランジェリーブランドfeastを立ち上げ、2015年に法人化。その後、ラフォーレ原宿で店舗運営をしつつECを中心に展開。2019年より生理用品から女性の選択を考えるブランドilluminateをスタート。



【日本規格協会よりお知らせ】
家事代行サービス認証のご案内
家事代行サービス認証は、家事代行サービスの品質を評価し、公表することで利用者が効率的、合理的に事業者を選択することができるよう、全国家事代行サービス協会と日本規格協会グループが行う第3者認証サービスです。
詳細は下記リンクをご覧ください。
https://www.kaji-s.jp/