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石油・化学プラントのAIを活用したスマート化を促すため、ガイドラインと事例集を策定しました

2020/11/27

<経済産業省の記事から抜粋>

本日、消防庁、厚生労働省と連携し、石油・化学プラント内でのAIの信頼性を適切に確保するための「ガイドライン」と、先進AI事例の成果と成功の秘訣を示した「導入事例集」を取りまとめました。これによりプラントの保全・運転に安全性が確保されたAIの導入が進み、保安現場の課題が解決(人手不足対策、事故抑制など)されることが期待されます。

1.背景
AIを活用することで、石油・化学プラントの保安を飛躍的に高度化できる可能性があります。例えば、AIを適切に活用すれば、数百のセンサーデータをリアルタイムで分析し微細な異常の兆候を発見したり、配管の画像から均一の基準で腐食状況を判断したりすることが可能です。

しかし、現状では、次の原因によってAIの導入は限定的です。

【原因①】
厳格な安全性が求められるプラントでは、適切にAIの信頼性評価を行い安全に対する説明責任を果たす必要がある一方で、その方法論が示されていない。
【原因②】
AIの投資効果が不明瞭なことに加えて、導入時に直面する課題が大きすぎてAI導入に踏みきれない場合がある。

2.【原因①】への対応 → 「プラント保安分野AI信頼性評価ガイドライン」
ガイドラインは、プラント保安分野に特化してAIの信頼性(プラントの安全性や生産性向上のために期待される品質を果たすこと)を適切に管理する方法を示しています。本ガイドラインを活用することで、次のような効果が期待されます。

  • プラントオーナー企業は、信頼性の高いAIによって保安力や生産性を向上させることができることに加えて、AIの信頼性について社内外へ説明責任を果たしやすくなります。
  • AIを開発し納品するベンダー企業は、本ガイドラインが要求事項を満たして開発をすることで、プラントーナー企業に対してAIの信頼性を説明しやすくなります。
  • プラントオーナー企業とAIベンダー企業の両者が、AI開発プロセスで要求事項を円滑に設定できるようになります。

3.【原因②】への対応 → 「プラントにおける先進的AI事例集」
ガイドラインが主に「AI導入時」での信頼性確保の課題※に対して方策を示すのに対して、事例集はそれより前段階の「AI投資決定時」「AI開発時」の事業者の課題解決へのヒントを示しています。具体的には、先進的事例での、①AIの効果、②典型的なAI導入の課題(AI人材不足、目標設定の困難性など)の解決方法、を具体的に示しています。

※ 適切な信頼性評価のためには、AIプロジェクトを実施する初期段階から適切な信頼性評価を行うことが必要です。また、事例集で掲載している事例は信頼性評価方法を網羅的には示していません。したがって、特に安全性を確保してAIを導入するためには、プロジェクトの初期段階からガイドラインを参照することが推奨されます。

応募期間等、ガイドライン(PDF)の閲覧等、本記事の詳細は経済産業省のページをご覧ください。

<出典:経済産業省のウェブサイトを加工して作成>
https://www.meti.go.jp/press/2020/11/20201117001/20201117001.html