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【注目JIS】JIS B 9921(光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び試験方法)を改正!

【注目JIS】JIS B 9921(光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び試験方法)を改正!

2025/05/20

一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年5月20日にJIS B 9921:2025(光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び試験方法)を発行いたしました。

JIS B 9921:2025

光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び試験方法
Light scattering airborne particle counter for clean spaces


■JIS B 9921はなぜ改正されたのか?

この規格は、光散乱法によって、空気中に浮遊する粒子の大きさと個数を測定する光散乱式気中粒子計数器の校正方法及び検証方法を規定したもので1976年にJIS独自の規格として制定され、その後3回、改正されました。 前回2010年にISO 21501-4:2007(Determination of particle size distribution-Single particle light interaction methods-Part 4: Light scattering airborne particle counter for clean spaces )を対応国際規格とする改正が行われ、今日に至っています。

その後、日本独自に内容修正・充実させた“不確かさ評価方法”を、また、規格として不足していた“測定原理”、“基本構成”などの追加をISO規格に盛り込むことを日本から提案し、2018年に改訂されました。 さらに、これまで評価方法が困難であったため盛り込まれていなかった“大粒径における計数効率評価方法”が、日本で開発した技術により実現可能となったため、追補として盛り込むことを日本からISO規格に提案が行われ、その内容を反映して、2023年にISO 21501-4:2018/Amd.1:2023が発行されました。 特に、光散乱式気中粒子計数器による大粒径の計数評価技術は、製薬分野など等において、重要度が高いものです。 このような状況において、市場からは、JISとしても早急に対応国際規格及び同追補による技術水準に整合するよう求められているため、今回、この規格を改正する必要がありました。

■JIS B 9921の改正に期待されること

改正することによって、製薬分野などでの市場への粗悪製品の流通を防止することができ、また、国際競争力の向上とともに海外への販路拡大の促進が期待できます。

主な規定項目または改正点は、次のとおりです。
・規格名称において、JIS Z 8103(計測用語)に基づき、“光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び検証方法”から“光散乱式気中粒子計数器-校正方法及び試験方法”に変更する。
・用語及び定義において、“計数効率”の定義を“同じ試験エアロゾルに対して被試験LSAPCと参照粒子計数器とのそれぞれによって測定された個数濃度の比、又は一定時間に被試験LSAPCによって計数された粒子数と導入された粒子数との比”に修正する。また、“校正用粒子”の用語を追加する。
・“試験及び校正手順”において、現行規格では“粒径区分のしきい値設定方法”と“粒径区分のしきい値の誤差”に関する規定を別々の細分箇条としているが、利用者の利便性を図るため、”粒径区分のしきい値”として一つの細分箇条での規定に統合する。
・計数効率(6.2)において、より正確な評価を可能とするため、最小可測粒径の2倍より大きいサイズでの計数効率評価に関する記載を追記する。
・“要求性能及び要求事項”の“試験報告書”において、細分箇条の題名を“試験報告書及び校正証明書”に変更する。
・“試験及び校正手順”の“計数効率”において、細分箇条を追加してその題名を“並列比較法”とし、さらに“発生器法”に関する記載を追記する。


[日本規格協会]