
空飛ぶ色見本:鶯色 - JIS Z 8102:2001 物体色の色名より⑤ -
2025/04/01
※本記事は全12回の連載となっております。
今号では動物の色に由来する色名について述べてみる。
鶯は、夏は山地で繁殖し、冬は平地に降りて来るスズメ目ヒタキ科の小鳥で、 鳴き声を楽しむため古くから飼育され、鶯色・鶯茶という色名が生まれた。 鶯は、春鳥・春告鳥・花見鳥・歌詠み鳥・経詠み鳥・匂い鳥・人来鳥・百千鳥・愛宕鳥など 多くの別名があるほど人々に愛玩されていた鳥で、色名として残ってきた。
「物体色の色名」に登場する鳥に由来する和色名は、鶯色、鶯茶、とき色、とび色、ひわ色、卵色、鳩羽色。外来語では、レグホーン、カナリヤ、 ピーコックグリーン、ピーコックブルーがある。更に動物全体に由来の範囲を広げると、さんご色、臙脂虫の雌から採取される赤色染料の臙脂、 紅海老茶、海老茶、藍鼠、象牙色、銀鼠、茶鼠、鼠色、利休鼠、コチニールレッド、サーモンピンク、シェルピンク、ネールピンク、セピア、ブロンド、ベビーブルー、パールグレーなどがある。
「鶯色」のマンセル値は1GY4.5/3.5近辺。
JIS Z 8102:2001 物体色の色名
Names of non-luminous object colours
発行時期:2001年5月30日
原案作成団体:一般社団法人日本色彩学会、一般財団法人日本規格協会
永田 泰弘
日本色彩学会名誉会員
「JIS Z 8102:2001 物体色の色名」
検討委員会の委員長として、原案作成に携わる。