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新参のいろ③:黄赤 - JIS Z 8102:2001 物体色の色名より -
2025/02/01
※本記事は全12回の連載となっております。
「黄赤」という色名は、馴染みの薄い色名と思われる。 黄赤という色名は、JIS物体色の色名の制定にあたり系統色名を、 マンセル表色系と整合させるために、本来なら「橙」か「オレンジ」とすべきところ、 Yellow Redから「黄赤」と訳したことが理由である。
マンセル表色系は、アメリカの画家A.H.マンセルが色感覚の三属性である色相・明度・彩度によって色を感覚的に尺度化して構成した三次元構造の色分類システムである。 有彩色は基本色相として、R(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)の5原色を選び、さらに中間色相としてYR・GY・BG・PB・RPを加えて、 10色相として環状に配列して色相環としている。明度は無彩色を中心軸にし、理想的な白を10とし、理想的な黒を0として間を感覚的に等分している。 彩度は色味の強さを無彩色軸を起点に感覚的に等間隔で円周状に配置している。
「黄赤」のマンセル値は2.5YR5,5/13近辺。
JIS Z 8102:2001 物体色の色名
Names of non-luminous object colours
発行時期:2001年5月30日
原案作成団体:一般社団法人日本色彩学会、一般財団法人日本規格協会
永田 泰弘
日本色彩学会名誉会員
「JIS Z 8102:2001 物体色の色名」
検討委員会の委員長として、原案作成に携わる。