粒子線治療装置の安全性を高める!日本主導の国際規格「IEC 60601-2-64:2025(個別要求事項)」が発行!
2025/12/24
IEC/TC 62/SC 62C(放射線治療・核医学・放射線検出器に用いる医用電気機器・ソフトウェア・システム)において、日本主導で開発を進めていた国際規格、IEC 60601-2-64:2025(医用電気機器-第2-64部:粒子線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項)が2025年12月5日に発行されました。
この規格は、患者の治療に用いるエネルギーが核子当たり10 MeVから500 MeVまでの粒子線治療装置の基礎安全及び基本性能について規定したもので、対応国際規格IEC 60601-2-64:2014を基に制定したものです。その後、この対応国際規格では、照射野より外側での迷中性子の線量評価を測定が技術的に困難な吸収線量で行うよう規定していることから、日本側から中性子線量の評価として一般的な線量当量に置き換えることを提案しました。さらに、通則のIEC 60601-1、粒子線治療装置の性能規格であるIEC 62667などとの整合が必要となったこともあり、日本が主体となって2022年にIEC 60601-2-64の改訂作業を開始しました。
この改訂によって国際規格と整合した最新の技術水準が反映され、粒子線治療装置の安全性の向上、さらに粒子線治療を受ける患者の安全確保にも寄与することが期待できます。
<規格情報>
IEC 60601-2-64:2025
規格名称(日本語):医用電気機器-第2-64部:粒子線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
規格名称(英語):Medical electrical equipment - Part 2-64: Particular requirements for the basic safety and essential performance of light ion beam medical electrical equipment
IEC 60601-2-64:2025 商品ページ
国内審議団体:一般社団法人 日本画像医療システム工業会
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