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Marketplace Risk Global Summit 2023がロンドンで開催,シェアリングエコノミーの国際標準

2023/11/16


2023年10月30日~11月1日にかけ,ロンドンでMarketplace Risk Global Summitが開催された。Marketplace Risk Global Summitは,英ロイズが主催するオンラインマーケットプレイス及びデジタルプラットフォームのリーダーのための欧州最大規模のカンファレンスである。このカンファレンスは,プラットフォーム及びそのコミュニティを保護するための戦略やベストプラクティスを共有することを目的とし,125名のスピーカーによる,50のセッションが開催された。



今回,昨年に続いて,ISO/TC 324(シェアリングエコノミー)の国際議長である持丸正明氏(産業技術総合研究所)とコミッティマネージャーである遠藤智之(JETROジュネーブ事務所)が登壇した。


講演では,持丸氏より,ISOはビジネスを制限するものでなく,ビジネスをサポートするツールであり,多くの組織がツールを有効活用することによって,新たな市場を築くことができると強調し,聴衆に対し,ISOの国際標準化活動への参加を呼び掛けた。 また遠藤からは,ユーザーが安心安全にサービスを利用できる環境を整えることがシェアリングエコノミー発展の鍵であり,マーケットプレイスのリスクを軽減に資する国際標準として ISO/TS 42501 が発行されたことの紹介が行われた。

ISO/TC 324は,ISO(国際標準化機構)の専門委員会の一つで,2019年に設置されたシェアリングエコノミーの国際規格を開発するグループである。この委員会では2019年に設置されて以降,以下の3つの文書が発行された。

ISO 42500:2021 (一般原則)
ISO/TS 42501:2022 (デジタルプラットフォームの一般的な信頼性と安全性の要件)
ISO/TS 42502:2022 (デジタルプラットフォームでのプロバイダー検証のガイダンス)

英国では,王立統計局がシェアリングエコノミーの市場の計測にISO 42500で規定された定義を一部利用するなど,国際標準活用の動きが進みつつある。



[レポート:ジュネーブ事務所 遠藤]




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