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方法論が存在するにも関わらず、観光業界は、エクセレントサービスの提供を目指さないわけにはいかない。

キプロス代表団の一人で、ISO/TC 312/WG 4（公共サービス）の主査を務めるジョージ.A.レノウ氏に話を聞いた。

あなたはコンサルタントとして、長年、組織をサポートしてきたと思いますが、これまでの経験を紹介してください。

私は、生産管理者として10年間、勤務した後、1994年から約25年間、PWCにおいて、品質保証や品質管理に関するグローバルなコンサルティングを行ってきました。特にキプロスの通信局、電力公社、また主要な政府機関の部局などに品質保証を導入する手助けや業務プロセスの改善などを行ってきました。
サービスの品質は、常に発展させる必要があり、標準は、品質を次の段階へ引き上げるための重要なツールです。私は、これまで組織を最低限必要な品質レベルから顧客満足を得るまでのレベル、そして、顧客満足を得たレベルからエクセレントなサービスに移行させるというコンサルティングを行ってきた経験があります。

キプロスにおけるサービス産業の現状と標準の可能性について教えてください。

キプロスには、世界に進出している化学品、医薬品の企業はありますが、製造業は、かなり限定的です。経済の主要な部分は、観光業をはじめとするサービス産業で成り立っており、サービス産業が競争力を維持し、組織が競争に打ち勝つためには、優れたサービスが必要だと考えています。

標準というのは、組織が将来の課題に立ち向かうためのツールだと思います。組織が生き残るためには、顧客満足を提供するだけでは、まだ十分ではありません。特に観光産業は、エクスペリエンスエコノミーであり、どの組織もエクセレントサービスを提供することを目指すべきです。私たちの標準は、組織が顧客に“ポジティブな体験”を提供することを支援するものだと信じています。
ポジティブな体験とは、カスタマーデライトです。カスタマーデライトは、組織の最終目標である顧客ロイヤリティを生み出します。キプロスにおいて、あなた方は、様々な地域を訪れて、「また来たい」と思うようなポジティブな体験を経験したことでしょう。これが顧客ロイヤリティであり、観光産業では、このようなエクセレントなサービスを提供する必要があります。
今、国際標準によって、サービスエクセレンスのための方法論が確立されたにもかかわらず、企業、特に観光業界の組織が優れたサービスエクセレンスを提供しないわけにはいきません。

最後に今回、このキプロスで国際会議をホストしたことについてどう感じていますか。

私たちは、今回、キプロスでこのISOの会議をホストすることができ、とても嬉しく思います。今回の会議において、私たちは多くの優良事例をこの委員会に紹介できたと思いますし、総会を開催したことが国内外の関係者のモチベーションを高め、関係者に私たちの標準化作業を知らせる良い機会となりました。

※1 英文名，Service excellence — Practices for achieving service excellence

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