
日本発「部分的自動駐車システム」に関する国際標準発行
2019/05/29
<経済産業省の記事から抜粋>
ドライバーの監視のもと、車両の操舵、加速、制動及びトランスミッションを制御することで、駐車操作に必要な車両制御動作を自動化するシステムに関する、日本発の国際標準が発行されました。これにより、車両制御システムを搭載した自動車が普及することで、駐車場内における交通事故の減少につながることが期待されます。
1.背景
自動車による接触事故は駐車場内でも多く発生しています。特に運転席からの死角となる場所に隠れた小さい子供などが駐車場などで犠牲になるといった、極めて悲惨な事故があとを絶ちません。わが国では、毎年約300人の死傷者が報告されています。
また、一般的に駐車操作を苦手とするドライバーは多く、特に狭い場所へ周辺物体との接触を回避しながら後退するという一連の駐車操作は、ドライバーの大きな負担となっています。さらに駐車操作に時間がかかることは、車両の円滑な通行を妨げ、渋滞を引き起こす要因にもなります。
このような背景を受け、駐車操作の一部を自動で行い、ドライバーの負担を軽減するシステムを搭載した車両が市販されています。今般、システムの要求性能を明確化することで、一定の性能を有したシステムがより広く普及することを目指し、日本から国際標準の提案をしました。
2.規格の概要
今回発行された国際標準ISO20900(部分的自動駐車システム)では、ドライバーが運転席に座った状態で作動させるタイプと、遠隔操作端末を用いて作動させるタイプの2種類のシステムについて、それぞれ機能要件及び性能確認試験の方法が規定されています。
本規格は、日本が国際議長を務めるISO(国際標準化機構)/TC204(ITS高度道路交通システム)/WG14(走行制御)に、日本から2016年7月に提案し、2019年5月13日に国際規格として発行されました。
参考資料の閲覧等、本記事の詳細は経済産業省のページをご覧ください。
<出典:経済産業省のウェブサイトを加工して作成>