
協調的なデータ利活用に向けたデータマネジメント・フレームワークを策定しました
2022/04/22
<経済産業省の記事から抜粋>
経済産業省では、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した産業社会におけるデータの信頼性確保の考え方を整理した「協調的なデータ利活用に向けたデータマネジメント・フレームワーク ~データによる価値創造の信頼性確保に向けた新たなアプローチ」を策定しました。
1.背景・趣旨
経済産業省では、令和元年7月31日 に「『第3層:サイバー空間におけるつながり』の信頼性確保に向けたセキュリティ対策検討タスクフォース」を設置し、データの信頼性確保に求められる要件について検討を行ってきました。
サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した産業社会においては、データがサイバー空間を自由に流通し、多様なデータが新たなデータを生み出して付加価値を創出することが可能になります。そうしたサイバー空間のつながりにおいては、データそのものが正しいことが重要な前提であり、付加価値の創出(バリュークリエイション)の基礎となるデータがバリュークリエイションプロセスの信頼性を確保するための基点となります。
データ自体に信頼性の基点を置いて包括的なセキュリティ対策を実施するためには、データのライフサイクル全体にわたってリスクを洗い出し、セキュリティ確保のための様々な措置を実施することが必要となります。
そのため、上記タスクフォースでは、データを軸に置き、データのライフサイクルを通じて、その置かれている状態を可視化してリスクを洗い出し、そのセキュリティを確保するために必要な措置を適切なデータマネジメントによって実現することを可能とする「協調的なデータ利活用に向けたデータマネジメント・フレームワーク ~データによる価値創造の信頼性確保に向けた新たなアプローチ」 (旧「データによる価値創造(Value Creation)を促進するための新たなデータマネジメントの在り方とそれを実現するためのフレームワーク(仮)」) の策定を進めてきました。
同フレームワークでは、データマネジメントを「データの属性が場におけるイベントにより変化する過程を、ライフサイクルを踏まえて管理すること」と定義し、
- イベント(生成・取得、加工・利用、移転・提供、保管、廃棄)
- 場(各国・地域等の法令、組織の内部規則、組織間の契約など)
- 属性(カテゴリ、開示範囲、利用目的、データ管理主体、データ権利者など)
というそれぞれに影響しあう関係にある3つの要素から構成されるモデルとして整理しています。3つの要素によってデータの状態が可視化され、ステークホルダーの間で認識を共有しやすくなることによって、ステークホルダー全体での適切なデータマネジメントの実施につながることを期待しています。
令和3年7月から10月において同フレームワーク骨子案について、また令和4年2月から3月において添付資料(ユースケース及びイベントごとのリスクの洗い出しのイメージ)も含めてパブリックコメントを実施し、国内外から幅広くご意見をいただくとともに第3層TFや分野横断サブワーキンググループ(SWG)、WG1においても、パブリックコメントや有識者からのご意見を踏まえた議論を進めてきました。
この度、これらの議論を踏まえ、同フレームワークを策定しました。これまで各組織や各国においてデータ管理に関する議論がなかなか噛み合わず、それぞれが整備したデータ管理に関するルール等の間の調整を図ることが難しかったところ、共通の尺度として本フレームワークを活用してデータマネジメントに関する共通の理解を得ることで、異なるデータ管理のルール等の間について、ルール間を跨いでデータが流通した場合でもデータのセキュリティが同じように確保されるために必要な調整を図ることが可能となると考えています。
関連資料の閲覧は経済産業省のページをご覧ください。
<出典:経済産業省のウェブサイトを加工して作成>
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220408005/20220408005.html