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『ムー』編集長、三上丈晴氏に聞く「未知なるものをはかるための基準」(中編)

2022/04/25

前編のUFO目撃基準について、中編ではさらに深堀します。

本物のUFO写真とは?

J:
逆に本物だ、というのはどこで判断できるのでしょうか?
三:
100%本物と言い切るのはなかなか難しいですが、まず昼間に撮影されていることですよね。また、肉眼ではっきり確認していることですね。
そうすれば明らかに物体がそこに存在しているということになりますから。
あくまでも、肉眼で確認して撮りました、というのと、画像があればあとは画像解析すれば出てくるんですよ。
できれば、ちょっと動いたりとか、距離を変えたものが2枚ぐらい写真で撮れるとそれで被写体との距離が出ます。そうすると確実に大きさなどが分かります。
もちろんそれが宇宙人の乗り物かどうかは分かりませんが、とにかくそこに得体の知れない物体があるっていうことは分かりますね。
J:
情報が詰まっていますからね、写真は。
三:
ただ中には本当に訳が分からないものもあって、アマチュアのカメラマンの方が土手で写真を撮っていたら、透明なお弾きみたいなUFOが飛んできて、すごく鮮明に連続撮影されたというケースがあります。

実は同じ日の同じ時刻にすぐ近くの小学校で運動会をやっていたんですよ。その最中に全く同じUFOが飛んでいて、大騒ぎになったんです。
だからその小学校の運動会の広報冊子にもUFOが映ったんですね。
正体は分からないですが、明らかに何か得体の知れないものが飛んできたっていうことは間違いない。ある種の兵器なのかもしれないし。

ペンタゴンの基準

J:
兵器という話はありますよね。アメリカは何か基準を持っているのでしょうか?
三:
今回アメリカのペンタゴンが議会に提出したレポートの中では、可能性として考えられる五つのカテゴリーを出しました(下記)。


つまり、5番目に「エイリアンの乗り物」の可能性は残してあるんですよ。
その中で、正体不明というケースが144あったのです。

兵器でいえば、今はドローンですが、アメリカ軍、民間も併せて軍産で開発していますが、正式に発表してないけれども、例えば80年代にはコードネーム「オーロラ」というのがありまして、いわゆる超高速・高高度の偵察機兼戦闘機が開発されたんです。その後オーロラからアストラという三角形のものが出てきました。そして今主流になっているのが「TR-3B」です。
J:
都市伝説界隈で有名なものですね。
三:
「TR-3B」の「B」って通し番号なんですよ。「TR-3A」というのもあって、これはアメリカ国防高等研究計画局DARPAが開発していたことがわかっており、そこではパンプキンと呼ばれています。TR-3Bについては、アメリカではプラモデルまで出来ています(笑)。
今、フェイク映像も含めてアメリカの地球製UFOというとだいたいコレですね。

で、このモデルになったのが、1989年ベルギーで目撃された「ホームベース型UFO」です。これが問題なんですよ。

ベルギーの事件

J:
多くの人に目撃されたものですよね。
三:
そうなんです。早稲田大学名誉教授の大槻義彦先生が関連書籍を訳していて、5万人に目撃されたと言われていますが、実際はもっとですよ。ベルギーだけじゃなくフランスでも目撃されていて撮影もされている。これが分からないんです。

まず、どうやって飛んでいるのかが分からないんです。だから作れないんですよ。
ベルギーのオイペンという町で目撃され、最初に発見したのは警察官なんですが、ゆっくり飛んでいく。飛行機はゆっくりなんて飛べないですよ。
その後ベルギー軍がスクランブル発進してロックオンしたのですが、逃げてしまった。

ベルギー軍も当時記者会見をやっているんですね。でも責任を取りたくないから「何かの見間違えだ、戦闘機のスクランブル発進などしていない。」となった訳です。
UFOの本丸はコレなんですよ。アメリカはこれを作りたくてしょうがない。

一説には1980年の段階でアメリカはUFOの原理(三角形)に気付いていて、それが、電磁波を三点交差させることで発生させた「プラズマ」、いわゆる火の玉です。プラズマを飛行原理とする地球製UFOはエリア51で開発していたという話があります。

火の玉なので、分裂もするし、合体もするんですよね。それを金属、チタンなどで包んで、動かすという技術です。
J:
大槻先生の理論に近いですね。
三:
大槻先生の理論が正しければ全てこれで説明が付くんです。80年代当時のノースロップ・グラマン(アメリカの軍需メーカー)だとか、アンテロップ・バレー(アメリカ カリフォルニア州)というところに、パイロンがあって、その先端にチタンのボールを乗せるんですよ。これに対してパラボラアンテナを当てて、色々な反射角度とか、電波吸収率を調べていました。ここでステルス戦闘機もそうですが、レーダー上で消えるなどの実験をやったんですが、たまにこのチタンのボールがピュッと上に飛ぶ現象が起きるんです。

通称「銀玉」というのですが、面白いのはGoogleアースが初期の頃に、これが沢山映っていたんですよ。この延長線上に「TR-3B」があるのかもしれません。
まぁこの界隈の話は、怪しい人物がいっぱい出てくるんですが(笑)

UFOの規格?

J:
そのような中で、本当の真を見つける「ものさし」を作るのは難しいですね。
三:
難しいです。軍だったら絶対本当のことなんかまず話さないですよね。かと言って漏れてしまったから、逆に混乱させてやろうということもある。まさにフェイク情報とかですが。
最終的に大衆が馬鹿にして信じなくなればそれでいい訳です。
J:
隠したい場合にはそれは一つの目的ですよね。
三:
ただ厄介なことに先ほどのベルギーの事象のような本物がある。だから困っちゃうんですよね。
J:
ちなみに今回の基準策定は、「町興し」という側面もあると思いますが、やはりフェイク画像が多いからというのが理由なのでしょうか?
三:
そうではなくて、今年がUFOふれあい館の30周年というのが一つの理由ですね。UFOふれあい館の所蔵している資料は元々、荒井欣一さんというUFO研究家の草分け的存在の方がいらして、もともと軍人で戦争にも行った方なんですが、レーダー技師だったので、レーダーに映ったUFO、例えば「ワシントン事件」1)という1952年のUFO事件などにとても詳しいんですね。
レーザーの写り方についても分析していて、その方が作った研究団体(日本空飛ぶ円盤研究会)には三島由紀夫や、星新一、石原慎太郎などが所属していました。
その資料がそっくりそのまま寄贈されているんです。
J:
荒井さんは科学的にものを見られると。どちらかというと事象としての捉え方なんですね。ユーフォロジストの中には色々な派がありますよね。
三:
ありますね。荒井さんは科学派ユーフォロジストですね。いわゆる「コンタクティ」2)というジャンルがありますが、そういうことに関しては大嫌いな方でしたね。コンタクティは別に研究家じゃないですからね。あくまで科学的に、データで考える、という方です。UFOが着陸したのであれば、その場所に何か残留したエネルギーや物質があるんじゃないかと調べるとか。例えば、甲府事件3)などUFOの着陸があれば、放射性物質(自然界にあり得ない核種・線量)などが見つかっていますが、地味なんだけどそういうデータを収集して分析されています。
やはり、分析・研究というからにはエビデンスが無いとダメですからね。
J:
そうなると、UFO研究の世界にも規格が必要になってくるかもしれないですね。
三:
そうかもしれないですね。流行り廃りじゃないですが、何で今のUFOがこのような三角形になっているのかとか、理由があるはずなんですね。この辺を解明できたら面白いですよね。

1)1952年7月にアメリカ、ワシントンD.C.及びその周辺地域で起きたUFO目撃事件。
2)異星人に遭遇した人物や異星人と交信ができるとされる人物のこと。
3)1975年山梨県甲府市で起きたUFO目撃事件。UFOの着陸があったとされる。



三上丈晴(みかみ たけはる)

1968年生まれ、青森県弘前市出身。 筑波大学自然学類卒業。
1991年、学習研究社(学研)入社。『歴史群像』編集部に配属されたのち、入社半年目から「ムー」編集部。2005年に5代目編集長就任。CS放送エンタメ~テレ「超ムーの世界R」などメディア出演多数。趣味は翡翠採集と家庭菜園。


【書籍タイトル】オカルト編集王〜月刊「ムー」編集長のあやしい仕事術〜
【価格】¥1,540(本体¥1,400)
【発売日】2022年6月2日(木)
【発売元】学研プラス
【書籍内容】
唯一無二のオカルト雑誌「月刊ムー」編集長が、秘められた舞台裏を初公開!
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