
人間工学研究を基盤としたISOアクセシブルデザイン規格
2020/04/07
<産総研の記事から抜粋>
-高齢者・障害者に配慮した触覚(記号・文字)、文字、報知光、音声の基盤規格制定-
ポイント
- 人間の感覚データに基づいた高齢者・障害者に配慮した製品設計に関する4件のISO規格が制定
- 人間工学分野の国際規格に産総研のアクセシブルデザイン基盤規格が出そろう
- 触って分かりやすい・読める・見やすい・聞きやすいアクセシブルデザインの普及加速に貢献
概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)人間情報インタラクション研究部門【研究部門長 佐藤 洋】 行動情報デザイン研究グループ 伊藤 納奈 研究グループ長らは、高齢者・障害者配慮設計指針の基盤技術となるアクセシブルデザインに関する4件の国際標準化機構(ISO)規格を作成し、それら4件が2019年に国際規格として制定された。
高齢者や障害者にとって使いやすい製品やサービスの必要性は広く認められているが、統一的な設計の指針がなかったため、産総研では、人間感覚特性の計測実験データに基づいたアクセシブルデザインの標準化活動を行ってきた。今回、高齢者や障害者を対象として「1: 浮き出し(触覚)記号・文字を触った時の分かりやすさ」、「2: 最小可読文字(読むことができる最小の文字)サイズ」、「3: 報知光(お知らせランプ)の見やすさ」、「4: 音声ガイド(音声案内)の聞き取りやすさと分かりやすさ」の触覚・視覚・聴覚に関する新たな4件の規格を作成し(図1)、ISO規格として制定された。これらの規格の制定により、高齢者・障害者配慮の製品設計に係る一連の基盤技術が整備されたことになる。規格作成にあたっては、これまで産総研が構築してきた国内の計測データベースの活用や、産総研から米国、ドイツ、韓国、中国、タイの関係機関に呼びかけ、必要に応じて同様の条件で国際比較のための人間の感覚データを収集する国際研究活動も行った。
今回の規格が高齢者と障害者に配慮した製品設計への指針となり、アクセシブルデザインの普及加速につながることを期待する。
規格の概要等、本記事の詳細は、産総研のページをご覧ください。
<出典:国立研究開発法人産業技術総合研究所のウェブサイトを加工して作成>
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200402_2/pr20200402_2.html