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ISOやIATFに教えられて

2020/01/20

 日本規格協会との出会いは、38年前、26歳のときに25日間に渡る「品質管理と標準化セミナー普通科コース」を受講・修了したことに始まる。
 まずこのセミナーで品質管理の基本と統計的手法に触れることが出来たのであった。
 その後いろいろな製品の品質管理部門、製造部門や他の工場への異動の後、10年くらい経って再び品質管理部門へ戻り、ISO9000規格の認証を受けるため、品質保証のリーダーを務めることとなった。
 1993年から認証取得の準備を進め、翌年ISO9002規格を取得した。当規格を取得するため及び監査を受けるたびに知らない考え方や手法を調べたり、指摘・指導されたために、おのずと社外セミナーや文献を読む機会が増えていった。方針管理、設計管理、工程管理、計測器管理、戦略論、組織論、信頼性工学、多変量解析、プロジェクトマネジメント等である。
 ISO取得後には、日本規格協会から品質管理セミナーの講師を依頼され、不安はあったがなんでもチャレンジすべきと考えいろいろなテーマの講師を15年ほど続けた。  講師を担当するということは、講義の時間の10倍から20倍くらいの準備時間が必要で、土日をそれに当てることになり、またまた新しい知識の取得や従来の知識の深堀をする必要があったため知識量やデータベースはおのずと増えていった。
 そのようにしながら一旦品質保証や、技術部門、新商品開発等を経験し定年2年前、58歳のときにIATF16949と出会うことになったのである。
 するとまたまた自動車産業の考え方やMSAなどコアツール等の勉強をせざるを得なくなり、ボケかけていた頭が再び活性化されていった。IATF関連知識の学習の後、取得のためのプロジェクトを立ち上げ2年後の定年の1週間前に取得を完了することができた。  40年間で異動した回数は19回で平均2年毎に様々な仕事を経験したことになるが、講師の仕事だけは中断はあったとはいえ約18年間続けていることになる。振り返れば、25日間のセミナーを受講し基礎を修得したことが、これまでの問題・課題に対応できたとつくづく感じている。
 定年後は再雇用となり役職もほぼそのままでIATFやグループ企業の品質事務局として、さらなる知識の取得が続いているのである。
 今しばらくは日本規格協会の講師として受講者のお役に立ちたいと考えている。

≪事務局より≫
谷講師にこれまでの経歴の振り返りをお願いした所、「ISOやIATFに教えられて」というテーマでご執筆を頂きました。
文面からは、真摯に学習されて知識・経験を重ねられていることが伺えました。 色々な部署を経験され、新しい事にチャレンジすることの喜びがあったのではないでしょうか。
当協会では品質管理の入門コースから上級コース、品質管理手法のコースなど様々な研修を全国で随時開催しております。
チャレンジするきっかけとして研修をご利用ください。
https://webdesk.jsa.or.jp/seminar/W12M1000/



谷 俊秀(アオイ電子株式会社 品質保証本部)

日本規格協会 講師
徳島大学工学部電子工学科卒業後、1979年にアオイ電子株式会社に入社。同社の品質保証部 部長代理、品質保証部 参事を経て、現在は品質保証本部 理事を務める。