NEWS TOPICS

会員向け情報はこちら

SQオンライン

変化と改善と全体最適と情熱

2019/12/20

 私は、2019年度から「JIS品質管理責任者セミナー」の講師を務めさせて頂いております。社外でセミナー講師を務めることは、私にとって大きな変化となりました。講師の為の学習は、受講生よりも更に充分な習得と理解が必要です。テキストを熟読しながら自社の社内標準に思いを馳せ、課題が多々あることに気付かされ、改善の必要性を感じていました。

 私は現在、検査部門におりますが、8年前から5年間は購買部門でした。その前は長く製品開発部門に所属していました。異動する度に、それまで気付かなかった、その部門の課題が色々と目に付きました。異動直後は課題発見感度が高く、改善のチャンス到来です。それぞれの職場で異動後約3年間は改善に没頭しました。しかし、約3年を過ぎた辺りからは、新しい課題に気付けなくなっている自分を感じていました。長く同じ環境の中にいると、感度が鈍くなってしまうのです。変化により感度は再び良くなるのだと思います。

 P(S)DCAの管理のサイクルを回して改善活動を継続することが品質管理の基本です。SDCAサイクルで現状維持を継続することは重要ですが、課題を発見し管理レベルを向上させるPDCAサイクルを回すことは更に重要な活動です。その前提として課題に気付ける感度、課題発見能力が必要です。私の場合は異動という外的要因で変化のチャンスを与えて貰えましたが、通常はこの種の機会は少ないのかもしれません。であれば、自身を内部から変化させる必要があるのでしょう。新しい知識や物事の見方を学習すること、つまり自己啓発でしょうか。(私は苦手なのですが‥)

 改善も社内標準も全体最適を充分考慮することが必要です。個人や部門のみ最適となるのでなく、会社全体が最適となること、会社としてのアウトプットが最大になること、を優先することが大切です。但し、会社の利益のみを優先するのでなく、コンプライアンスやモラルを含めた全体最適が必要なのは云う迄もありません。

そして行動を支える基本は、情熱だと思います。情熱を持ち続けることは難しいことかもしれませんが、情熱なくして変化はできないと思います。
「変化」と「改善」と「全体最適」と「情熱」、私が日ごろ意識している言葉です。

《事務局より》
統計的手法を利用して変化を捉え、改善につなげることは品質管理の基本です。
日本規格協会では、これら品質管理の基本を体系的に学び、演習を通じて、実践力を習得できる公開セミナー各種開催しています。是非、ご活用ください。

日本規格協会 JIS品質管理責任者セミナー 詳細・お申込みはこちら↓ https://webdesk.jsa.or.jp/seminar/W12M1010/index/001/002/002



盆子原 哲(株式会社熊平製作所 品質保証部 検査グループ グループ長)

日本規格協会 広島支部 JIS品質管理責任者コース 講師
1984年に(株)熊平製作所へ入社後、東京勤務にて施工管理業務に従事。広島帰任後、金融機関向け各種管理装置、デジタル録画システム、デジタル監視カメラ等の新製品をプロジェクトマネージャーとして開発する。その後、購買グループ長を経て、現在は検査グループ長。2010年、初級信頼性技術者認定取得。2015年、品質管理検定2級合格