
ペロブスカイト太陽電池
2025/07/02
内閣府知的財産戦略本部により「新たな国際標準戦略」、経済産業省 日本産業標準調査会(JISC)基本政策部会から、「新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル 2025-」が公開され、日本は新たな標準化戦略のステージへと歩みだしました。
重要領域、パイロット分野として今後日本が力を入れていく分野も示されています。
その中から、今回は環境・エネルギー分野で注目の「ペロブスカイト太陽電池」について少し情報を集めてみました。
ペロブスカイト太陽電池
「日本型標準加速化モデル 2025」において、我が国における戦略的に重要な技術領域の中で、特に不確実性の高い分野を「技術・市場の成熟度」及び「産業横断での連携性」の観点から類型化を行い、その上で各類型に「パイロット分野」として5分野が示されました。
【類型形態】
類型A:実用化段階の技術における市場獲得を目指す分野
類型B:フロンティア領域における先行的ルール形成を狙う分野
類型C:横断的分野における産業基盤整備
このうち、「我が国が技術で優位性を持つ」として類型Aにただ一つ設定されたものが「ペロブスカイト太陽電池」です。
太陽電池は太陽光のエネルギーを電気に変換する技術ですが、使われる半導体の原料としてペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を用いるものを「ペロブスカイト太陽電池」と呼びます。
なぜペロブスカイト太陽電池が注目されているかについては以下のポイントがあります。
★大量生産・低コスト化の実現が期待できる! 塗布や印刷技術で生産できるため、製造工程が少なく済むとのこと。
★軽くてしなやな! 材料をフィルムなどに塗布・印刷して作ることができるため、折曲げやゆがみに強いとのこと。
★主要材料はヨウ素! 主な原料はヨウ素であり、ヨウ素については日本の生産量が世界シェアの上位となっているとのこと。
環境・エネルギーの観点において、化石燃料を使わない電力の普及は非常に重要です。太陽電池はその中でも重要な分野といえ、世界的な競争も激しくなっています。 すでに、発電層がシリコンでできている「シリコン系太陽電池」の普及も進んでおり、屋根の上につける太陽電池などでも身近になっていますが、一方で設置場所や重量の問題なども認識されています。
さらなる環境・エネルギー分野への挑戦を行うにはペロブスカイト太陽電池の標準化戦略はなくてはならないものと言えるでしょう。シリコン系とペロブスカイト系の両輪で戦略的に、世界をリードしていくことが重要と言えるでしょう。
今後、経済産業省は2050 年のカーボンニュートラル目標や再エネ主力電源化に向けて、サプライチェーンを含めた強靱なエネルギー供給構造の構築や、産業競争力の強化を目指し、まちづくり・地域や社会との共生を図りながら社会実装を進めるにあたり、官民で連携し、量産技術の確立・生産体制整備・需要創出を三位一体で進める、としています。日本規格協会は、国際標準化等検討委員会(事務局:国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)・一般社団法人日本電機工業会(JEMA))の標準化戦略の取り組みを支援してまいります。
以上、今回はペロブスカイト太陽電池の紹介でした!
この記事は産総研マガジン、エネこれ、新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル 2025-を参考にさせていただきました