
【注目JIS】JIS Q 17043:2025(適合性評価-技能試験提供者の能力に関する一般要求事項)発行!
2025/04/28
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年4月21日にJIS Q 17043:2025(適合性評価-技能試験提供者の能力に関する一般要求事項)を発行いたしました。
適合性評価-技能試験提供者の能力に関する一般要求事項
Conformity assessment -- General requirements for the competence of proficiency testing providers
■JIS Q 17043はなぜ改正されたのか?
この規格は、技能試験スキーム提供者の能力並びに、技能試験スキームの開発及び運用に関する一般要求事項を規定するものであり、ISO/IEC 17043:2010を基に、国際一致規格として2011年に制定されました。
技能試験を行う機関の能力の継続的な信頼性は、試験所及びその顧客にとってのみならず、規制当局、試験所認定機関及び試験所に対する要求事項を規定する他の機関などの利害関係者にとっても必須のものです。
また、検査又は製品認証のような他の適合性評価活動においても技能試験の必要性は増しており、こうしたニーズの拡大への対応を図るため、ISO/IEC 17043は、2023年に技能試験提供者の能力及び公平性、並びに全ての技能試験スキームの一貫した運用に関する一般要求事項を規定するものとして改訂されました。
我が国においても、試験所・校正機関自身の分析や測定、検査などの技能を客観的に評価できる技能試験は、得られた結果の信頼性を保証する上で大変重要であるという認識が広く浸透しつつあり、
国際規格との整合を図ることが社会的にも求められていることから、改正する必要がありました。
■JIS Q 17043の改正に期待されること
この改正によって、全ての種類の試験スキームにあてはまる一般的要求事項として内容の充実が図られることから、規制当局、試験所認定機関などが試験所を認定する際に、特定分野の個別の技術的要求事項の基礎として用いることができると考えられます。
また、技能試験を行う機関の能力の適格性や公平性を国際レベルで証明することで、
ユーザが技能試験を行う機関を選定するための指標として使用することが可能となることから、
産業の合理化に寄与することが期待されています。
主な規定項目または改正点は、次のとおりです。
・用語及び定義において、ユーザニーズの多様化に対応して、試験所や校正機関以外の適合性評価活動を行う機関(例えば、JIS Q 17020の検査機関やJIS Q 17025のサンプリング機関)への適用を視野に、用語の定義の見直し及び注釈を用いた説明の拡張を行う。
・組織要求事項において、最新のISO/CASCO Proc33(CASCOの統一的な要求事項)との整合を図る。また、ISO/IEC 17025と整合を図るため、認定機関等を念頭に置いた規定を追加する。
・資源要求事項において、JIS Q 17025及び、JIS Q 17034に準じて見直しを行う。
・プロセス要求事項において、要求事項を階層化して七つに分類する。
・マネジメントシステム要求事項において、 ISO/CASCO Proc33に規定する内容との整合を図る。
[日本規格協会]