
JIS B 2003 圧力検査における自動検査への対応!
2024/02/29
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2024年1月22日にJIS B 2003:2024(バルブの検査通則)を発行いたしました。
今回の改正によって圧力検査における自動検査等、最近の我が国の検査実態が反映され、検査の合理化及び精度の維持向上が図られます。
バルブの検査通則
General rules for inspection of valves
発行時期 :2024年1月22日
原案作成団体:一般財団法人 日本規格協会
一般社団法人 日本バルブ工業会

■なぜJIS B 2003は改正されたのか?
この規格は、一般機械装置などに用いるバルブの検査通則(構造・寸法・外観・材料・圧力検査、及び、その他の検査)について規定しています。1968 年に制定された後、1994 年のSI 単位導入に伴う改正を経て、2018 年には水圧試験及び空気圧試験に用いる試験流体を明確にするための追補改正が行われました。
その後、圧力検査においては、水圧試験又は空気圧試験の実施から試験結果の判定までを人の目視だけによらず、検査装置等によって検査の一部を自動化して行う技術が市場で普及し、検査精度の向上や安全性の改善が図られるようになってきており、自動検査対応を可能にするための規定の見直しが求められています。こうしたことから、圧力検査における自動検査への対応のほか試験圧力を見直すなど、最近の我が国の検査実態を反映するため、当該 JIS を改正する必要がありました。
■JIS B 2003に期待されること
この改正によって、圧力検査における自動検査への対応が図られるとともに、最近の我が国の検査実態が反映されることから、例えば、バルブを水没させて圧力を加える試験の際に人が水槽を覗き込むような危険を回避できるほか、より精度の高い漏れの検知が可能となり、検査の合理化及び精度の維持向上が図られ、ひいては製品品質の確保、生産性の向上などに寄与することが期待できます。
主な規定項目又は改正点は次のとおりです。
・適用範囲において、対象とするバルブを明確にするため、“一般の機械装置などに用いるバルブ”を、“JIS B(一
般機械)部門に規定するバルブ ”に改める。
・圧力検査の一般事項において、目視以外の検査方法を可能とすることに伴い、空気圧試験で、空気の代わりに
用いることができる気体の種類として、新たに JIS Z 2330(非破壊試験-漏れ試験方法の種類及びその選択)
で規定するサーチガスを追加する。
・圧力検査の一般事項において、現在の技術の実態を反映し、検査方法として目視以外に自動検査などの方法も
可能とするため、“検査は、目視又はその他の適切な方法で行うこと”を規定する。
・弁箱耐圧検査-空気圧試験において、検出精度の向上などを図るため、呼び径 50 以下のバルブの試験圧力
を“0.6MPa”から“0.6MPa 以上”に改める。
・弁箱耐圧検査-試験結果の判定において、定量的な判定を可能とするため、”漏れ,にじみなど“について
は、”目視によって確認できる量の漏れ,にじみなど“であることを明確に規定する。
・弁座漏れ検査-漏れ量の区分及び許容量並びに試験結果の判定において、弁箱耐圧検査と同様に、弁座漏れ量
の区分レート A に規定されている“漏れ”については、“目視によって確認できる量の漏れ”であることを明確に
規定する。
[日本規格協会]