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COP28 開催、 規格が欧州単一市場のグリーン化にどのように役立つか

COP28 開催、 規格が欧州単一市場のグリーン化にどのように役立つか

2023/12/28

第 28 回国連気候変動枠組条約(COP28)が 11 月 30 日から 2023 年 12 月 12 日まで開催された。

欧州標準化委員会(CEN)及び欧州電気標準化委員会(CENELEC)は、グリーンな単一市場を実現するため標準によって、グリーンな移行を支援するためのアクションを紹介。

  • 製品による環境への悪影響を防止する方法のひとつに、循環型経済の推進がある。
    循環型経済とは、既存の材料や製品を共有、リース、再利用、修理、改修、リサイクルすることで廃棄物をなくすという原則に基づく。
    CENとCENELECは最近、欧州単一市場において循環型経済を実現するための規格を設計するために、新しい欧州技術委員会CEN/TC 473「循環型経済」を設立。

  • 水素は、重工業、運輸、発電など、欧州単一市場内の多くのセクターの脱炭素化を支援する可能性を秘めている。
    CENとCENELECは、長年にわたり水素技術の規格開発に取り組んできた。これらの規格に取り組んでいる専門委員会には、CEN-CLC/JTC 6「エネルギーシステムにおける水素」、CEN/TC 268「極低温容器と特定の水素技術アプリケーション」などがある。
    CENとCENELECは欧州委員会の水素標準化ロードマップにも貢献。

  • 欧州単一市場におけるエネルギー消費方法の改善は、欧州の温室効果ガス排出量を削減する上でも重要な役割を果たす。
    CENおよびCENELECは、CLC/TC 13「電気エネルギーの測定と制御」、CEN/CLC/JTC 14「エネルギー転換の枠組みにおけるエネルギー管理とエネルギー効率」、CEN/TC 371「建物のエネルギー性能」などを標準化を通じて、よりスマートで効率的なエネルギー消費の要求に応える。

  • 気候変動との闘いにおけるもう一つの有望な分野は、グリーンファイナンスである。
    企業の持続可能性報告指令は、投資家が持続可能な投資について選択する際に役立つよう、ESGに関する企業の活動について信頼性が高く比較可能な情報を提供する欧州の持続可能性報告システムを構築することを目的としている。
    CENとCENELECは、ISOとIECと協力し、比較可能な指標とサステナビリティ手順の実施に関する明確なガイダンスを提供することで、企業のサステナビリティ向上を支援するいくつかの規格を開発している。

    関連規格の例としては、
    EN ISO 14090:2019「気候変動への適応-原則、要求事項及びガイドライン」


    EN ISO 14064-1:2019「温室効果ガス-第1部:温室効果ガスの排出及び除去の定量化及び報告のための組織レベルでのガイダンスを伴う仕様」


    EN ISO 26000:2020「社会的責任に関するガイダンス」


    などがある。
    ※リンクは同等のJISが存在する場合はJIS、もしくはISOになっている。

グリーン転換のニーズが進化するにつれ、欧州標準化システムの野心も進化する。CENとCENELECは、ネットゼロで気候変動に優しい欧州のために標準化を活用するというビジョンを共有する多くの専門家の情熱と知識を頼りに、より環境に優しい欧州単一市場に向けて活動を続けていく。


[ジュネーブ事務所]

https://www.cencenelec.eu/news-and-events/news/2023/brief-news/2023-12-01-sm-30-cop28/