
欧州委、WTO電子商取引ルール提案を公表
2019/06/06
<JETROの記事から抜粋>
欧州委員会は5月3日、電子商取引に関するWTOルール策定に向けた提案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。2019年1月に始まった、EU28カ国を含むWTO加盟76カ国による協議で提案された。欧州委は、電子商取引が国境を越えて拡大する中で、現状で欠けているWTOの多国間ルールの策定は、先進国と開発途上国における電子商取引の機会拡大と課題への対処につながるとした(注)。提案は主に次の10点からなり、個人データ保護やプライバシーを基本的人権と位置付けている点などが特徴だ。
- 電子契約と電子署名の有効性の保証
- オンライン環境における(消費者保護による)消費者の信頼の強化
- 効果的なスパム対策
- 国境を越えた販売を阻む障壁対策
- 個人データ保護と強制的なデータ・ローカリゼーション(データの国内での保存・処理を義務付ける規定)禁止の両立
- ソースコードの強制開示の禁止
- 電子送信への関税賦課の恒久的禁止
- 開かれたインターネットへのアクセスの原則の堅持
- インターネットの活発なエコシステムを支援するのに適した、WTOの情報通信サービスに関する規律の更新
- 電気通信とコンピュータ関連サービスの市場アクセス・コミットメントの改善
さらに、EU理事会(閣僚理事会)は5月27日、欧州委に対するWTOにおける電子商取引に関する交渉マンデートを追加で採択した。新たに採択されたマンデートは、上記の提案事項でカバーしていない項目、すなわち情報通信分野において公平な競争環境を確保するための規制規律の策定、電子商取引分野における貿易措置の簡易化、営業秘密を含む知的財産など、電子商取引の貿易的な側面を補足するものとなっている。
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<出典:日本貿易振興機構のウェブサイトを加工して作成>