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[英国]英国規格協会(BSI)、世界的な水問題のレポート”Thirst for Change"を公表
2023/09/25
英国規格協会(BSI)とWaterwiseは、水不足の問題について、調査レポート、”変化への渇望(Thirst for change)”を公表、この問題に対策を講じなければ、2050年までに世界人口の75%が干ばつに直面する可能性があることを強調する。
米国や中国を含む主要経済圏で水不足のレベルが急上昇、過去100年間で世界全体の年間水使用量が約3兆5,000億m3増加しており、技術革新を通じて水の循環性を高める世界的な取り組みが必要である。
この調査レポートでは、地球上に水は豊富に存在するものの、人口増加、気候変動、経済発展が相まって水への需要が高まり、この供給に対する持続不可能な圧力が高まっているという課題を指摘するほか、世界40カ所の水不足を評価する指標を記載しており、アメリカ、中国、インドが最高評価を受けていることも説明している。国際的にこの課題の取り組むことで、干ばつリスクの軽減、気候変動目標のサポート、国連の持続可能な開発目標を達成するための社会開発の促進など、より広範な便益がもたらされることを明らかにしている。
BSIのチーフ・ストラテジー・トランスフォーメーション・オフィサーであるジョナサン・チョククエル・マンガン氏は、「BSIでは、水の安全な未来を確保することは、二酸化炭素排出量を削減するのと同じくらい大きな機会になると理解している。水の安全な未来を確保することは、二酸化炭素排出量の削減と同じくらい大きなチャンスになり、ビジネスの改善に重点を置く組織として、この議論を進めることで、社会や組織に大きなプラスの影響を与えられることを願っている。」
このレポートでは、貴重な生息地を保護し、気候変動や干ばつに対し、より強靭な社会をつくるため水を賢く利用することの重要性を強調した上で、以下の提言を示す。
■水の浪費を深刻な課題として認識する
電力会社が率先して漏水ネットワークを削減することで、問題を認識し、行動する
■節水型製品を選択しやすくし、持続可能な選択を行えるようにする
例えば、オーストラリアやシンガポールなど、関連規格に沿った水消費効率ラベル制度を適用している国から学ぶ
■技術革新を受け入れ、データを有効活用する
スマートメーターは、節水という点で、ゲームチェンジャーとなる可能性を秘めている
■節水文化を奨励する
家庭でも職場でも、またさまざまなセクターでも、水管理を通じて地球を守ることを優先する。
■ループを閉じる
新しい建物での水のリサイクルや水の再利用、雨水利用などの技術を活用し、可能な限り水のリサイクルと再利用を標準とする。
■インパクトのためのパートナー
政府や規制当局から水産業まで、そして最終的には水の利用者である私たち全員まで、幅広い関係者の協力によって、水の利用可能性をめぐる増大する課題に対処することができる。
Waterwiseの最高責任者、ニッチ・ラッセル氏は、「水は生きるための基本です。しかし、私たちは、人々、組織、環境のために水を確保する上で、世界中で大きな課題に直面しています。国連は、世界人口の4分の1がすでに水ストレス下にある国に住んでいると報告しています。このままではいけないということは、明らかになっている。持続可能ではないのです。解決策の重要な部分は、家庭や職場で、今ある水を賢く使い、水の浪費を避けることです。そうすることで、緊急時の気候変動の影響に確実に適応し、ネット・ゼロ・エミッションを達成し、人々や企業のために水の供給を確保し、環境を保護・改善することができるのです」と話す。
レポートは、BSIのウェブサイトよりダウンロード可能である。
[ジュネーブ事務所]
https://www.bsigroup.com/en-GB/about-bsi/media-centre/press-releases/2023/august/thirst-for-change-securing-a-water-positive-future/