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天然の色見本:紅梅色 - JIS Z 8102:2001 物体色の色名より④ -

天然の色見本:紅梅色 - JIS Z 8102:2001 物体色の色名より④ -

2025/03/25

※本記事は全12回の連載となっております。

 人類が、地球上に現れ進化の過程で、色の区別を認識し、色という概念が生まれ、言葉としての色名を獲得した歴史がある。最初に生まれた色名は、昼と夜を区別する明暗の表現を「白」と「黒」とし、次いで森や草原の緑の中で食べられる果実の色の「赤」であったという論文もある。

 自然の中で、色名の由来となる恰好の色見本となったのが花の色である。「紅梅色」は花の色から来た色名であり、奈良、平安の時代の古典によると、最も愛されていた花は、中国から渡来した梅の花である。他に桜色や桃色、卯の花、紅花などが登場する。

「物体色の色名」に登場する花に由来する和色名は、つつじ色、桜色、ばら色、紅梅色、桃色、山吹色、ひまわり色、たんぽぽ色、勿忘草色、露草色、かきつばた色、ききょう色、藤色、藤紫、菫色、しょうぶ色、あやめ色、牡丹色。他に花の色に由来する外来語慣用色名が13色名収録されている。



JIS Z 8102:2001 物体色の色名

Names of non-luminous object colours
発行時期:2001年5月30日
原案作成団体:一般社団法人日本色彩学会、一般財団法人日本規格協会




執筆者
永田 泰弘
日本色彩学会名誉会員
「JIS Z 8102:2001 物体色の色名」
検討委員会の委員長として、原案作成に携わる。