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工業用「といし」の寸法に関するJISが改正!

2024/12/20

一般財団法人日本規格協会は、2024年11月20日に「といし」の寸法に関する3つの日本産業規格(以下、JISという。)の改正版を発行いたしました。

「といし」と聞くと、包丁を研ぐものを思い浮かべるかと思いますが、実は、ものづくりの場面でも、鉱工業品を精密に「切る」、「削る」、「磨く」という重要な役割を担っています。

近年、鉱工業品の精度と表面仕上げに対するニーズの高まりにより、それらの製造工程への「といし」の活用が広がる中で、工作機械や工具の高性能化・多様化が進み、「といし」の寸法の多様化も進んでいます。これに対応するための対応国際規格が改正されたことを受け、JISも改正しました。

今回の改正によって、最近改正した「といし」の他のJISとの内容の乖離が解消し、対応国際規格との整合が図られ、製品の取引円滑化が促進されるとともに、使用者の安全性が高まり、労働安全の促進に寄与することが期待できます。

規格情報

JIS R 6211-14:2024
といし-寸法-第14部:アングルグラインダにおけるばり取り及びきず取り用研削といし
Bonded abrasive products-Dimensions-Part 14: Grinding wheels for deburring and fettling/snagging on an angle grinder
税込価格:5,500円 A4判 20頁

JIS R 6211-15:2024
といし-寸法-第15部:定置式切断機又は可搬式切断機における切断といし
Bonded abrasive products-Dimensions-Part 15: Cutting-off wheels on stationary or mobile cutting-off machines
税込価格:4,620円 A4判 14頁

JIS R 6211-16:2024
といし-寸法-第16部:手持式切断機における切断といし
Bonded abrasive products-Dimensions-Part 16: Cutting-off wheels on hand held power tools
税込価格:4,620円 A4判 16頁

※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。


「といし」と聞くと、台所で包丁を研ぐ場面を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。実は、日用品だけでなくものづくりの場面でも、といしは大活躍しています。

「といし」は、ものづくりの場面では、主に回転させて使用し、鉱工業品を精密に「切る」、「削る」、「磨く」という重要な役割を担っています。これらのといしは、一般的には、「研削といし」、「切断といし」などと呼んでいます。鉄鋼、造船、建築、自動車のほか、身の回りにある携帯電話やパソコンから注射器針など幅広い分野で、用途に合わせてさまざまなといしが使用されていますが、これらのといしの寸法は、取引の円滑化を図るために、JISによって規定されています。




今回は、JIS R 6211-14(アングルグラインダにおけるばり取り及びきず取り用研削といし),JIS R 6211-15(定置式切断機又は可搬式切断機における切断といし)およびJIS R 6211-16(手持式切断機における切断といし)の寸法に関する3つのJISを改正しました。これらの規格は、JIS R 6211規格群を構成するJISで、1999年に制定され、直近では2014年の改正を経て、今回の改正に至っています。

JIS R 6211規格群の一覧



主な改正点は、以下のとおりです。
【JIS R 6211-14、JIS R 6211-15、JIS R 6211-16共通】
・寸法記号およびその意味についての箇条を追加し、既存のJIS R 6242(といし-形状、製品の呼び方及び表示)を基に規定しました。

【JIS R 6211-14】
・研削といしの種類に9号オフセット形研削といしを追加し、寸法を規定しました。
・6号および11号の外径、26号の各研削といしの外径、27号研削といしの外周部厚さなどの寸法値を新たに追加しました。

【JIS R 6211-15】
・切断機の名称を“定置型切断機又は可搬型切断機”から“定置式切断機又は可搬式切断機”に変更しました。
・ISO形の41号平形切断といし、および42号オフセット形切断といしについて、厚さの種類を追加しました。

【JIS R 6211-16】
・ISO形の41号平形切断といし、および42号オフセット形切断といしについて、厚さの種類などを追加しました。