英国規格協会、顔認識ツールの安全かつ倫理的な使用に関するガイドを発行
2024/04/16
顔認識技術-ビデオ監視ベースのシステムにおける倫理的な使用と展開-実践規範
Facial recognition technology. Ethical use and deployment in video surveillance-based systems. Code of practice
AIを搭載した顔認識ツールの使用は、昨今、一般的になっており、英国ではチャールズ国王の戴冠式、 サッカーの試合、万引きの抑制など様々な場面で利用されている。英国規格協会(BSI)は、今回、顔認識技術(FRT)が社会のために役立つことを確実にする新規格、BS 9347(顔認識技術-ビデオ監視ベースのシステムにおける倫理的な使用と展開-実践規範)を発行した。
FRTは、画像内の個人の身体的特徴をマッピングし、データベース内に保存されている他の画像と比較することで、高いレベルの類似性を確認し、特定の時間に特定の場所にいる個人の存在を特定したりすることが可能だ。BSIの最近の調査によれば、2030年までに世界の40%の人々が空港でバイオメトリクス認証を利用するようになることを期待しているが、その一方で人種や性別の違いに関連したエラーなど安全で倫理的な使用に関する懸念も生まれている。2022年に実施された監査では、警察による顔認証の導入が最低限の倫理的・法的基準を満たしていないことが判明した。、今回発行されたBS 9347では、 AI と FRT におけるその応用の倫理を定期的に見直す重要性を示している。
BS 9347は、FRTを使用する必要性を判断するための評価から、調達、設置、技術の適切な使用までサプライチェーン全体に適用されているほか、6つの主要な原則(ガバナンスと説明責任、人間の主体性と監督、プライバシーとデータガバナンス、技術的な堅牢性と安全性、透明性と説明可能性)を規定している。
英国セキュリティ産業協会の技術サービス担当ディレクターであるデイブ・ウィルキンソン氏は、「FRTの使用は、プライバシー保護団体、業界の利害関係者、その他の利害関係者から、このような技術の適切かつ適切な使用について、多くの関連する質問が寄せられている。この規格は、FRTを使用する必要性の評価から、継続的な運用が正当なものであることを保証する主要原則を定めることによって、FRTの利用に信頼性を浸透させることを目的としている」と話す。